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その流線型が私を完成に誘う/ハセガワのいすゞ 117クーペ 後期型

 だいぶヒィヒィ言いながら、四つのタイヤにボディが乗っかって車になるところまでハセガワ 1/24 いすゞ 117クーペ 後期型(☆☆XE) を組み立てて、床に寝っ転がってました。いや本当に、車のプラモデルは独特の疲労感がクセになります。

 スマホを触り飽きて、ふと棚の上のそいつに目をやると、とてもボディの曲線が綺麗なことに気づきました。光をヌルりと反射する姿は完成させるためには十分な燃料です。とにかくこのプラモデル、ボディをシャーシにはめ込んでからが本番という感じ。それまでの作業と同じかそれ以上に気をつけながらジリジリと完成まで進めていったほうがよさそう。

 ボディだけが細かいのかというとそういうわけではありません。結構な数のパーツがあります。だからこそと言いたくなるような精密な足回りはカチッと出来上がりで、複雑なユニットを手で掴んではにっこりしたくなる。

 他にもスピーカーを取り付けたり、シフトレバーとペダルをマニュアルとオートマで選べたりと「そこまでやるのか」という工程がいくつもあります。大変だけどやりがいがある作業で、バッチリ組み上がっていくのは結構嬉しい。というか、よく考えると、いままでクルマにスピーカーをつけたこともシフトレバーを選んだこともないので、初めてだから楽しいみたいな部分があります。

 細かな作業が時々現れたと思ったら、ズバーンとシートがくっついたりするので意外と作業の緩急があって飽きないです。細かなパーツを切ったり貼ったりするので、集中力を使いはしますが、最後の綱登りのためにSASUKEの第三ステージがひたすらに腕をいじめるように、ずっと同じ作業をし続けるというのは最後の最後までありません。

 ただ、最後の最後、ボディに細かいパーツをつける工程が勝負です。無くしたらと思うとゾッとするくらい小さなパーツを落としそうになったときの脚を閉じるスピード。「プラモってこんなに全身使う遊びだっけ」と思いながら集中して最後まで進めて行きます。

 とはいうものの、変に期待を裏切られる部分はなく、頑張った分だけ良い景色が見られる素敵なプラモデルだなと思いました。出来上がった姿は実車の評判がデザイナーの名前とともに私の耳まで届くのも納得の見た目。プラスチックの色がシルバーなのでウェルドラインというウネウネした線が走りますが、これが吹き抜ける風のようでかっこいいんですよね。ボディの様子を最初に見たときに「これは無塗装で作ろう」と思った理由はまさにこれでした。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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