この本の中には、プラモデルは載っていません。しかし、「現在の車模型シーン」を凝縮した内容がページをめくるたびに僕たちを楽しませてくれます。今、車模型は速いや強いではなく、本書のタイトルにある通り「時代を超えて愛される、デザインの良い車」が最新の成型技術でどんどん発売されるようになりました。
日本ではハセガワ、アオシマ、フジミと言った模型メーカーが、海外ではドイツレベルやアメリカのメーカーがまるで、タイミングを合わせたのかと言わんばかりに、良い佇まいの車模型を送り出しています。そういった車模型が増えてきたこともあり、僕も今車模型に夢中です。そんな僕の興味にズバッと刺さったのが、今回ご紹介する本です。
「デザインが良い」とされる車を約600字ほどの文章で、軽やかに紹介していきます。この文章がとても分かりやすく、僕のように今クルマの魅力に憑りつかれているような人でもスイスイ読める楽しさがあります。個人的に本書のように、スペックよりもストーリー性を大事にしている解説は大好き。物語にはそのものを所有してみたい・実際に見てみたいという、人を動かす力があるから。
各ページの写真も、切り方が凄く素敵。見え過ぎないようにすることで、その車を読者がもっと知りたい! と興味喚起してくれます。プラモの写真もあえて一部をトリミングしたりするように、本書でも車の魅力的な部分にフォーカスしながらも、全景は見せないという憎らしい編集になっています。真横の写真がメインカットなのもかっこいいです。
こうやって本書を読んでいると、今車模型シーンにどんどん投入されている車たちは「デザインの良いクルマ」の筆頭なんですね。
私が買った車模型は「時代を超えて愛される、デザインの良い車」なんだと思えると、机に向かうのがいつもよりもっと楽しくなりそうですね! また、車模型が買いたくなっちゃいました!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)