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光らないはずのプラモデルを妖しく光らせた話/アトランティスモデルの“SURFINK!”

▲プラモデルを太陽に透かしてみたら
▲発光するようになってしまったんだ。ちなみに蓄光ではない。

 プラモデル作りって基本インドアだからいつごろ完成させたのか忘れやすいのだけれど、1枚目みたいに屋外をバックに季節感のある写真が撮れたプラモデルはいつ作ったのか記憶に残る気がする。2023年、とても日差しが強い灼熱の夏、アトランティスモデルのsurfinkを作った。サーフィン、妖怪(?)、クーラーの効いた部屋、夏らしいすべてを同時に堪能できる贅沢な時間だった。クセはあるが、造形も最高なキットだ。

 しかし色を塗る段になって、ベランダで撮った組み立て前の光景が忘れられなくて手が止まった。夏の日差しを透過した、無垢なパーツの美しさに取り憑かれてしまったのだった。プラモデル塗装のセオリー的には凹んだスジに墨入れしたり、シャドウを塗ったりして陰影を強調させたりするけれども、あれはその逆、色反転したかのようにパーツのスジが綺麗に光っていたのだ。塗装してしまっては見られない光景。不気味さが強調されて素晴らしいと思った。これをプラモデルに落とし込みたいと思った。プラモデルの中に太陽を入れればいい。手が動き出した。

▲夏になると、ワケも無く工作したくなりません?

 早速、組み立てたsurfinkのお尻にドリルで4mmの穴を空ける。相手がモンスターでよかった。罪悪感が全く無い。仕事用のマキタ18Vインパクトを使用したが、パワーがありすぎて危うく前側まで貫通してしまう所だった。

 次に、ベッドライト自作用のLEDユニット、USB給電ケーブルスイッチを通販で用意した。これらをsurfinkに組み込んでいこう。

▲気分はもうマッドドクター。

 お尻の穴からコードを通して口から出し、その先でLEDユニットと銅線をハンダ付けした。口から触手とLEDユニットが飛び出す様はなんともファニー。作ってる途中でエキセントリックな絵面が飛び出すからプラモデル作りは面白い!(だいぶ逸脱しているが)

 最後にLEDユニットを口の中へ押し込み、USBをパソコンに繋いだら完成。スイッチオン!

▲意外と光量がある!(ので、明るい部屋で感度を下げて撮影している)

 ブワッと緑色に発光するアメリカの妖怪が現れた。プラの薄いところは強く光を帯び、厚いところは影になっている。プラスチックが透けてこんなに楽しいと思うなんて!遮光するだけじゃ無い、プラモデル電飾の無限の可能性にトキメキを覚えたのだった。

 しかしデスクに置いておくと、眩しいし、場所もとるし、電気も余計に食うし、なんて無駄の塊なのだろう。こんなに無駄なモノを作れて、本当によかった。ありがとう、夏。

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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