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ロスマンズカラーが眩しい/ラリーを走るポルシェのプラモデル

 ここだけ見ると何の変哲もないポルシェ911のボディ。でもこれはラリーでの勝利を目指して開発された特別なクルマで、WRC、ヨーロッパラリー選手権、さらに中東ラリー選手権でめちゃくちゃ活躍したんです……って言われると俄然作りたくなってきます。セブン−イレブンの軒先に「特別な海苔を使ったおにぎりです」という暖簾が掲げられていると普段食べ慣れているシャケのおにぎりがなんだか輝いて見えるのと同じですね。

 特徴的なリアの水平対向6気筒エンジンがシャーシと一体化しているのを見ればわかるとおり、パーツはずいぶん少なくまとめられています。チマチマと実車の構造を追いかけるプラモじゃなくて、911RC RSの基本的なスタイリングと「ラリーカーとしての最低限の特徴」がうまくパッケージングされています。

 ロールケージに包み込まれたコクピットにはシートが2つ。クルマを操るドライバーとペースノートを読み上げるナビゲーターが阿吽の呼吸で過酷なオフロードを駆け抜けていきます。シート背面のCFRP模様は別売りのディテールアップパーツセットに入っています。ペロッとパーツに乗せて位置を決めたらグッドスマイルレーシングの「剛力軟化剤」を塗ってひと晩放置しておけばシートの複雑な凹凸に馴染んでくれます。いいデカールだ!

 「組み立てが確実で、塗らなくてもデカール貼ればほぼハコの絵とおんなじものができる!」と私がいつもベタ褒めしているプラッツ/NuNu製のカーモデルですが、今作はワイパーが白いパーツになっています。流石にこれは黒く塗りたい。いやまてよ、このマシンの特徴的なロスマンズカラーはデカールで完全再現されているのかな?とデカールをしげしげ眺めてみますが、どう考えても青の面積が少ないぜ……。

▲こちらはロスマンズカラーを彷彿とさせるカラーを纏った現行モデルの911 Dakar(3099万円!)

 お、白いボディに対して青は自分で塗らなければいけないのね。でもこんな曲線のストライプに合わせて青を塗るのはちょっと難しそう。ここから先はモデラーに課せられた宿題というわけです。以前の自分だったら「無理だぁ」と思っていたところですが、私にいい考えがある。それは後日チャレンジすることとして、まずはクルマの形になるところまで組んでモチベーションを上げておきます。

 いや、まだポルシェ911だな……。レーシーな雰囲気がバコンと加わるロスマンズカラーをクリアする勇気を持ったものだけが上がれるポディウムがこの先に待っています。「われこそは!」というラリー好きの皆さん、ちょっと変わり種のポルシェ製マシン、わたしと一緒に完成させましょう。きっとコレクション新たな砂漠の風が吹きますよ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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