プラモデルには、赤や黒、黄色など色がついたパーツがあります。その色を「成型色」と模型の世界では呼んでいます。成型色のおかげで、塗らずに組むだけでそのモチーフの雰囲気を味わえます。僕も色がついたプラスチックが好きで、その色を一部活かして「塗料で塗装したパーツ+成型色を活かしたパーツ」の組み合わせでモデルを完成させています。
プラのパーツというのは「プラスチックらしい光沢」を纏っています。このツヤ感をコントロールするだけで、まるで色付き塗料で塗ったみたいな仕上がりを得られます。そんな時に大活躍するのが「トップコート」と呼ばれる缶スプレー塗料。色は透明で「光沢」、「半光沢」「つや消し」の3つがあります。光沢を吹けばピカピカなパーツに、半光沢を吹けばしっとりとしたツヤがあるパーツになります。つや消しはプラの表面がマットになり、おもちゃっぽさが無くなります。
この透明な塗料でツヤのコントロールをするだけで、プラスチックについている色は様々な表情を見せてくれます。僕は車模型でこの方法を良く行います。とくに「セミグロスブラック」を塗る指示の箇所です。黒い成型色に黒を塗る……それなら成型色を活かして、他の細かい塗り分けだけ塗ったほうが早いからです。
プラの色を活かしたい時、活かせるな! と思った時は、ぜひトップコートでツヤをコントロールしてください。特に昨今のコート系塗料はとっても優秀で、色付き塗料を塗ったかのような仕上がりになります。タミヤや、バンダイのプラモは特に成型色が素晴らしいので、こういったプラの色と寄り添った塗装というものが楽しめます。「ここは通常塗料で自分の色に塗って、このパーツはプラの色を活かして仕上げてみよう」という塗装、ぜひ1度楽しんでみてください。もっとプラモデルと仲良くなれますよ。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)