

『コロコロコミック』発のミニ四駆と言ったらエンペラーやマグナム、ソニック……と際限なく名前を挙げていけるファンも珍しくないんじゃないだろうか?各車が劇中での活躍に加えて、実際のレースで自分の愛車として使っていた思い入れと…という理由で支持を獲得する中、コース走行を前提としていないワイルドミニ四駆として王道からちょっとそれた立ち位置でリリースされたのがワイルドザウルスだ。
漫画「ダッシュ!四駆郎」の原作者である徳田ザウルス先生の「ワイルドミニ四駆にも是非新車を!」という想いから実現したマシンは「ワイルドザウルス」と命名。特に説明されなくとも「徳田ザウルス先生デザインのワイルドミニ四駆」という由来なんだなって思ったよ。いいな、ザウルス先生はペンネームがザウルスで……ミニ四駆につけても格好いい……。自分も将来ワイルドミニ四駆をデザインする機会がめぐってきたときのためにマシンにつけても格好いい響きのペンネームを考えておきたい。


パッと見ではわからないくらいにさりげなく左右非対称にまとめられたスタイリング。左に寄せられたキャビンの右には予備電池ホルダーが用意されていて、ここにミニ四駆用に開発された乾電池「パワーチャンプ」をこれ見よがしに搭載するのが粋なんだぜ!
金色のパワーチャンプがメッキパーツのようにキラキラ眩しく誇らしかったんだ……というのも今は昔。ミニ四駆競技用電池であるパワーチャンプは改良が続けられ新型に切り替わる毎に末尾につく記号が変わり、現在は2020年に登場した「パワーチャンプRX」の名前で白基調のラベルで売り場に並んでいる。パワーチャンプは使い切りのアルカリ乾電池だからよっぽど意識してとっておかないと古いものは残らない。ホルダーに積むパワーチャンプのラベルでそのワイルドザウルスが何時のマシンなのかという、時代性を背負ったルックになってしまうのだ。

発売当時のコロコロコミックでは同じくタミヤ製の恐竜プラモを従えた姿で紹介されていて絵面が最高だった。ザウルスの名を冠するのだからこのマシンは4WDの恐竜なのだ。ダッシュ6号であり、ワイルドミニ四駆シリーズNo.6であり、そして1/35恐竜シリーズに続くタミヤ製品としての5体目(限定配布のプテラノドンがいるため)の恐竜ともいえる。
1/35恐竜シリーズは当時価格¥600程度だった割に、並べるモノに困るくらい大きなプラモだったのだけれど、ワイルドザウルスはそれに負けない十分すぎる存在感を持っていた。この恐竜シリーズも丁度再販がかかったので当時を知るオールドファンとしては並べずには居られなかったよね。

ミニ四駆にしては珍しく大砲を積んだイラストなんかも起こされていて、それに影響されてゾイドの武器を載せてみたりと走らせる以外の面でもワイルドな遊び方に応えてくれる存在でもあった。しっかりディスプレイモデルとして作りこんでいくにも魅力的なカタチをしているんだよ。サイズ感も1/35の戦車から部品を流用しやすい。

1981年発売の1/35恐竜シリーズと1993年発売の1/35恐竜世界シリーズの間に1989年発売のワイルドザウルスがいる。結果的にこの四輪駆動の恐竜は時代を繋ぐ走者だったと言えるのかもしれない。ホルダーに最新電池のパワーチャンプRXを載せたワイルドザウルスは2020年代の顔をして未だに走り続ける。そろそろ次の走者が見えて来てもいいよね!