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プラモになった「推しのコンビニ」/夢のセイコーマートオーナーにオレはなる!

 日本に現存する最古のコンビニエンスストアチェーン、セイコーマートのオーナーになりました。最高です。なぜなら私の夢はセイコーマートの経営(そこで好きなものを売りたい)だから……。さて、これは実際の店舗ではなくTOMIXの鉄道模型用情景モデルです。新発売です。すでに品薄なのですが再販を熱烈希望するものとしてここからはセイコーマートへの愛を語ります。

セイコーマート公式通販 TOMIX コンビニエンスストア セイコーマート

 さて、これは地球でもっとも美しいコンビニ、セイコーマート北海道大学店です。わざわざここで飲酒するために北海道大学を訪れる程度にセイコーマートが好きです。1階の店舗、2階のイートイン(半分は屋内でキッチンラボ併設、屋外のテラスではジンギスカンパーティーもできるというヴァルハラ)がガラスファサードによって森と調和し、至高のサッポロビール体験をもたらしてくれます。


 多くのセイコーマートには店内に調理設備があり、米はガス釜で炊かれ、独立した電源設備によって緊急時でも暖かくてうまい飯が供給されます。店内調理されたフードはホットシェフというブランドで売られ、この什器に陳列されます。ホカホカの握り飯、トロトロのカツ丼、優しい揚げ物によって北海道(そして茨城県および埼玉県の一部)の民は育ったのです。私は東京都民なのでホットシェフを食うために電車を乗り継いだり飛行機に搭乗するといった活動に従事しています。

 さて、TOMIXのセイコーマート(新製品)です。紺色のファサードは近年作られたセイコーマートに見られるトレンドであり、北国を感じさせる開口部の小さい店舗、そしてドア左上に設けられたホットシェフの看板を表現する乳白色のパネルなど、造形的にも異様なコダワリが感じられます。これまでセイコーマートを感じさせるコンビニの立体物としてはロクハンというブランドからZゲージ(1/220)の「コンビニエンスストア(灰)/店名は”Zettomart”」が売られていましたが、こちらは正規ライセンス商品であるため外観も店名ロゴもそのものズバリというセコマファン待望のアイテムと言えましょう。

 ちなみにこちらはTOMIXのこれまでのコンビニエンスストアシリーズ(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、デイリーヤマザキが同型異色で展開)とは違い、新規に金型が起こされたものです。ほぼ同タイミングでセブン-イレブンも新金型版が登場しましたが(さらに旧金型版は販売停止とのこと)、ここでいままで影も形もなかったセイコーマートが”製品”になったというのは快挙であります。

 完成しているのは店舗外観の概形のみ、店内の什器および外側の備品はプラモデルよろしくランナーにくっついたパーツ(こちらも新規造形)となっています。細部の色分けや店内の情景はシールが用意されており、自分でひとつずつカットして貼り付ける仕様です。カットラインが入っていないのはコストを抑えるためだと思いますが、結構ハードな作業なのでみなさん心してかかってください。

 それにしてもオレンジのフェニックスをあしらったロゴにホットシェフの牛が予め印刷されてあるシールを見ると、これは夢なのではないかと自分の頬をつねりたくなります。店舗前に置かれるノボリもセイコーマートが誇るアイテムをズラリラインナップしており、裏から見たときの「透けて左右反転している状態」も再現あるのを拝見しますと、これはTOMIXをノーベル平和賞に推薦するほかありません。

 白いランナーパーツは2枠入っていて、レジ台や棚といったコンビニ内部の必須パーツに加え、中央に背の高い台形の「ホットシェフ用什器」も鎮座。ノボリや駐車場の車止めといったパーツも用意されており、これをユーザーの好きなように陳列/設置して良いのです。決まったレイアウトを追いかけるのではなく、あなただけのセイコーマートを作るのです。やべえ。

 セイコーマートの店内を思い出しましょう。これは本社ビル近くで「セイコーマートがいっぱいあるぞ!」とはしゃぎながらセコマのハシゴをしたときの様子です。G7(ワイン)、サッポロクラシック(ビール)、そしてプライベートブランドの綺羅星のようなラインナップ……。酒を前面に出して分厚くラインアップする店舗もあれば、内地のコンビニと変わらぬバランスの店舗もある。オーナーの手腕の見せ所と言えましょう。

▲激安超旨パスタを喰らい、さっぱりおろしカツ丼(季節商品)を流し込み、セイコーマートと一心同体になる私たち。

 改めて申し上げますが、シールを自分でカットして貼るのはかなりの作業です。小さい金尺とよく切れるカッターナイフ、そして先端のよく尖ったピンセットを用意して挑みましょう。真心を込めて店舗を作り、お客さんを迎えるのです。

▲うおあああああああああああ、セイコーマートじゃん!

 新設計のコンビニシリーズは店舗前の広い駐車スペースが特徴(従来のコンビニシリーズは店舗横に3スロットしか駐車スペースがなく、車道に近接した店舗を表現したものでした)。スケールは1/150ですので、鉄道模型はもちろんガンプラにもよく似合います。ここに積雪をもたらしてもいいでしょうし、九州に進出して日本全土を席巻する未来のセイコーマートを作ってもいいでしょう。別売りのTOMIX製品を購入すれば複合ビルの1階に収まっている状態や高架下にハマっている状態も再現できる設計となっているので、出店場所も選び放題。ああ嬉しい。家にセイコーマートがあるぞ。我慢できない。今日は密輸入したサッポロクラシックで乾杯です。みなさんも、オレンジ色の不死鳥に乾杯。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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