

「今日は豪華に外食したい! そう、肉がいいな。肉!」そんな気分で手にしたのがタミヤ M40ビッグショットでした。模型店で目にした際の「そう、いま食べたいのコレ!」感が凄かった。”ビッグショット”という名前がもうね、ジューシー。 箱を開け、ランナーを眺めて予想外だったのは同封のミニチュアの精巧かつ動的な佇まい。メインディッシュは155mmカノン砲と思いきや、このアニキたちのように主張が強いアラカルト満載でデリシャスパーティなキットだったのです。



第二次世界大戦という時代を象徴する戦車といえるアメリカ産M4シャーマン。その車体構造を利用した自走砲であるビッグショットです。自走砲という概念が試行錯誤されるなかで「戦車に巨大なカノン砲を乗っけてみた」という魔改造感がたまりません。本キットでも工程が進んでいくとパーテーションにロッカー、指定席化されてそうなツールボックスなど作業場を組んでいく事になり、あれ? 戦車を作っていたハズなのだが……という、「なんか知らんトコ来た感」が。



キットは冒頭こそ戦車プラモで、履帯がゴムベルトだったりでテンポよく工作は進んでいきます。ただ、その後は紐やチェーンをくくりつけたり、金属パーツを瞬間接着剤で貼ったり、細かなビス留めがあったり……と、バイク模型のように工作がバライティに富んでいます。 反面、細かな作業で慎重さが必要となるので「落ち着け。いったん落ち着けオレ」と言い聞かせ、ふだんよりもややペースを落としてこなしました。

このキットのメインディッシュである155mmカノン砲がついにオンステージ。ここに行き着くまでにも様々な模型体験をさせてくれましたが、ショックアブソーバーやリンク機構などで魅せてくれる流石のメイン感。なによりも衝撃だったのが内蔵する昇降ギアです。このギア機構はなにも仕事しません。そう、後々見えなくなっても実際の機構を模そうとする姿勢は頭で理解できる。でも、組み付け時にギアとギアとを噛み合わせた時の高まりは理屈じゃないものがありました。ビッグショットというプラモの終着がここにあったのです。

SFアニメにもしばしば登場するカノン(あるいはキャノン)に、子供の頃からロマンを抱いていました。なにせ今も昔も「でっかい砲、良くない?」という投げかけは続いていますし。そんな数あるモチーフの中でも、このビッグショットという歴史を選んでキット化したプラモメーカーの姿勢というものも存分に味わえた今回とも言えます。満足感スゴい。 ディテールアップパーツでアルミ削り出しの砲身があるので、それも買って手にしたいとも思っています。キットの精度を高めたいというよりも、隣にそえて眺めてみたいのです。タミヤがさらにどう追求したのかを。