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プラモデル×アクションフィギュアの、ハイブリッドな魔力に魅せられて/PLAMAX 神翼天空騎士 ユリ・ゴッドバスター

▲髪、肌、布、革、鉄。

 同じプラスチックのハズなのに、色と形状によって、やわらかさ、硬さがこうも変化するものなのか。塗装しなくても素材感が解るような、スッと入ってくるデザイン、というのがパーツをざっと見た第一印象でした。

 あきまん氏デザインの、プラモデルで展開するSFストーリー『ゴッズオーダー』。その第一弾が、PLAMAX「神翼天空騎士 ユリ・ゴッドバスター」です。まさにプラモデルとアクションフィギュアのいいとこ取りのようなキットで、組み立てからポージング、撮影に至るまで、ずっと楽しめました。

▲ デザインのキーである血の色の十字。

 中世ヨーロッパのテンプル騎士団を彷彿とさせる、シックな衣装のユリ・ゴッドバスターさん。赤十字がパキッと塗り分けされた塗装済みパーツになっていますし、ボディの動きに追従する柔らか素材の前垂れにも印刷が施されていて「サービスしておきました!」という気合の声が聞こえます。塗装せずにガシガシと遊ぶにはバッチリな仕様かなと思います。リペイントしたところで、これ以上のクオリティで塗れる自信はないですね私は。

▲ とても凛々しいお顔。

 フェイスパーツの3つが塗装済み。歯が塗り分けられていると、カッコカワイイのですよね。意外と汎用性バツグンな目を閉じた顔が、私のお気に入り。

▲ 上はゲート跡をナイフで処理したもの。下は未処理のもの。

 また、腕など素体のパーツに比較的柔らかめのプラスチック(ABS)を使っているのでサクサク削れて整形が楽です。ニッパーで切り出したプラスチックは圧力がかかってその部分が白化しがちですが、ゲート跡があると目立つ肌が綺麗に仕上がるので、作っていて気持ちがいいですね。

 何だかここまで来ると、「アクションフィギュアのプラモデル」を作っているような感覚が芽生えてきます。しかしそれなのに作業感はあまり無く、むしろ妙に組み立てが楽しい。それは、夜中に見る日本人形の迫力に匹敵するような、ある一線を超えたクオリティの人形が持つ、人間に近いけど誇張されてどこか違う、違うからこそ美しく感じる、そんな人形の持つ魔力をプラスチックモデルのユリ・ゴッドバスターにも見ていたからです。

▲顔と平手の繊細さが、その一線を越えているのかなと思います。魔性のドールです。

 パーツを削っていくと滑らかになっていく腕、足、胸、腹。人体を簡素にした、機械的な関節。それらをひとつずつ組み合わせていくと、ドラマチックに、徐々に、徐々に、人形が手の上で出来上がっていきます。プラスチックのパーツだったモノが、ヒトのカタチを模した形状と、構造を手に入れていく。今にも動き出しそうな小さくてカワイイ(と思わせる記号を持った)何かが掌の上で出来上がっていく高揚感。人体錬成しているような背徳感。それらがないまぜになって、とてつもなくソワソワします。

▲実際、よく動きます。

 関節で特に好きなのは、素体の足首の構成。x軸、y軸、z軸での回転が出来るしつま先も折れ曲がるのに、とにかく小鹿のように細いおみ足なので華麗な演技をつけることができます。

 そして気になった弱点が2つだけ。腰のサイドアーマーだけは動かしていてポロポロ外れやすいのと、脚部の装甲は入り組んだ部分にアンダーゲート(ゲートがパーツに対して側面に回り込んでいる)があって切り出しが結構大変なのでした。しかし、それを補って余りあるデザインの優雅さ、素体のしなやかさ、装備のアクショントイ的なギミックは触っていてハイパー楽しいです。

▲プレイバリュー、満点。

 グラビアカメラマンよろしく、魅惑的なポーズをとらせてバシバシ撮影していると時間を忘れますね。しかし写真をモニター越しに見てしまうと今度は「銀のアーマーにもっと輝きが、シズル感が欲しい……!」なんて、要求が、欲望がエスカレートしていきます。最初は「素材感が解る」とか言っていたくせに。そんな時、塗装が容易なプラスチックであることは、とってもラッキー。イメージに合う、高貴なシルバーの塗料を探しに旅へ出たのでした。

ハイパーアジアのプロフィール

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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