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男の子がプラモデルになったっていいじゃない/Figure-rise Standard エンジェモン

 パッケージ見た瞬間即買いでした。フィギュアライズスタンダード デジモンアドベンチャー エンジェモンです。美少女プラモ戦国時代にあって、筋骨隆々の男性が可動プラモになってるのっていいよね……と友人に話したら「孫悟空とか仮面ライダーとかもあるじゃん」って言われたんだけど、オレはこのプラモになにか違うものを感じている。なんでだろう。というかそもそもデジモンってキャラクターデザインが整理されていて色使いもおしゃれなのが好きなのかも。

 孫悟空の「ムキムキの筋肉が関節の動きに連動します」みたいなギミック満載感とは違って、エンジェモンはすげえ造形コンシャスというか、「最低限のパーツ分割で細マッチョ体型を動かして遊べる」という設計がなんかいいんだよな〜。シックスパックにボールジョイントが付いてたり、大胸筋って下から見るとこんなに丸みを帯びて付いているのかという驚きがあったり、背中の絶妙な曲面なんかは完成品フィギュアの勃興と進化を経由してようやくプラスチックモデルにも繊細な肉体表現が宿ったな、と感じるのですよ。

 目が隠れているキャラクターだから、肌色のパーツはこれだけ。アイペイントで失敗しないっていうのも勝利の鍵なのかも知れない。そういえばフィギュアライズアンプリファイドのバットマンでも同じような感覚を味わったな。あれもすごくいいプラモだった。私は全身タイツとか異色肌が好きというフェチを持っているので、肌色の面積が少ないと「かっこいい〜」と思うタイプです。みなさんはどうですか。

 このプラモの美点はもうひとつあって、拳がめっちゃ大きく造形されていること。人間を縮尺模型にすると手は印象よりも小さくなってしまうので、演技をさせたいなら少し大きめに作ったほうがキャラクターの押し出しが強くなるし、バランスもよく見えるんですよね。拳を大きくしよう、と決めた人、エラい。素敵だ。

▲ヘブンズナックルのクリアーオレンジな拳も大きいよ!いいよ!

 で、白とゴールドという鉄板のカラーにブルーの布が巻き付く表現。これはPS(ポリスチレン)という表記なんですが比較的柔らかい素材でできています。この柔軟性は「ポーズに追従してグニャグニャ曲がる」というよりは、プラスチックの弾性を利用して腕にぐるぐる巻き付いている状態に組み上げられるという機能に供されているんですね〜。賢いぜ。

▲ちょっとだけ柔らかいプラスチック。ほんの少し明度の高い青のチョイスも最高です

 シンプルなパーツ割りでスラッとした男性の造形が出来上がり、これがガシガシアクションする。なんでもかんでもプラモになったら嬉しい私としては、美少女と同じくらいの勢いで老若男女いろんなスタイルの人がプラモになってほしいなと思うわけです。その枠をひとつ拡張してくれたエンジェモンに乾杯。プラモの世界にも多様性を!と思うワタクシでありました。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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