タミヤのゴキゲンな新・面相筆、「HGII」は思うてるののワンサイズ下を買うのが吉!

 気軽に買える価格とカキンと尖った穂先の良いバランス!タミヤの新作、モデリングブラシHGII 面相筆がついに発売されました。待ってたよ。超嬉しい。高品質なPBT(合成繊維)樹脂毛を使用し、塗料の含みとまとまりの良さを両立しています。私はタミヤの最高級モデル「モデリングブラシPRO II」でほとんどの筆塗りを済ませる人間なのですが、天然毛はハードに洗うと毛が痛むしけっこう高価なので、化学の力で「安くていい筆」が登場したことをマジで喜んでいる。いざ、実戦!

 HGII面相筆は穂先の大きさが違う小、細、極細、超極細の4種がラインナップされました。写真は「小」ですが、ご覧の通り毛のまとまりよし。軸は耐溶剤性の高い黒の樹脂で、金文字はレーザー刻印なのでこれまた溶剤でガシガシ吹いても文字が溶け落ちたりしないんだとか。そしてお尻に転がり止めのタブが付いていますね。付け根の部分が薄くなっているのでカットしての使用もOKです。

 小でガンガン塗るぜ〜!と思って塗り始めたんですが、ちょっと待てよ。なんかフィーリングが思ってたのと違う。いつも使っているモデリングブラシPROIIの「小」は穂先が少々大きくても繊細な塗装ができるので重宝していたのですが、HGIIの「小」はコントロールがちょっとむずかしい。何でだろう。こういうときは観察が必要です。「なんかうまくいかねえな〜」というときは自分の鍛錬よりもまず道具をじっくり見ましょう。

 上が新製品のHGII「小」で、下がいつも愛用しているPROII「小」。よく見たらHGIIのほうが穂先がデカいですね。根本の太さは変わらないのですが、長さが2割増しくらいになっている。なるほど、そのせいで穂先がいつもよりクニャクニャした感触なのかもしれません。全然関係ないけどHGIIにはタミヤのツインスターロゴが入ってないのね〜。

 今度はPROII「小」とHGII「細」を比較。穂先の大きさはこちらのほうが近しいように見えます。よし、これならPROIIと同じ感覚で塗れるはずだぞ……。

 実際にHGII「細」で塗ってみると、たしかにこっちのほうがいつもの感覚(=PROII「小」)に似ている。かなりこまかいディテールにもチリチリと塗り込んでいくことができます。

 しかしですね、PROII「小」と比べると、HGII「細」はほんの少しだけコシが弱い。有り体に言うと、毛が柔らかい。天然毛のPROIIと同じ気分で筆を動かすと、うっかりはみ出したり線がヨレたりします。これは筆の特性に合わせて体を合わせたほうが良さそうです。「こまかい話だな〜」と思うかもしれませんが、そもそも面相筆は細かい作業をするためのものですから、ほんの少しの差が如実に感じられるんだよね。

 含みよし、コシはPROIIよりもちょっと弱し。みなさんもしPROIIのサブとしてHGIIを導入するなら「いつもよりワンサイズ小さめ」を買ったほうが良さそうです(もちろん、初めての面相筆なら4本揃えてもいいと思いますよ!)。実売価格はPROIIのおよそ半分で、溶剤耐性があるから天然毛より気兼ねなく使える……と考えると、コスパは高いように思えます。「ハイエンドのPROIIに迫る実力を備えながらもガンガン行ける面相筆」として、HGII、ここに爆誕&実戦配備完了です。みんなもいい筆でどんどん塗ろうぜ!

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。