みんなで作る模型サイト nippperはあなたの投稿をお待ちしています!
詳しくはコチラ!

やきとりの移動販売車がプラモデルでやってくる/アオシマの移動販売シリーズ、組もうぜ!

▲真っ白な何にでもなれそうな素のボディはまるで進化前のイーブイ!

 アオシマの移動販売シリーズは軽トラ(キャリィ)をベースにさまざまな移動販売車をモデル化しており、中には警察や陸運局にハチャメチャに怒られそうな奇抜なデザインのものから、「お祭りわっしょい」ともはや概念の移動販売車までラインナップされています。

 シリーズのひとつ、「やきとり竜鳳」は実在する焼き鳥チェーンをモチーフにしており、エントロピーが増大しパッションが保安基準からはみ出しがちな移動販売シリーズの中ではスケールモデルとして質実剛健な立ち位置を占めています。

▲カーモデルなのにタイヤが隠れているパッケージが移動販売車としての覚悟を感じさせます

 過去のシリーズの金型を流用しつつ再編したキットらしく、歴史を感じる質感のランナーと、新規金型のランナーが一緒に入っています。説明書通りに気楽に組み上げても楽しいのですが、ディティールアップにも挑戦してみようかな、ジャンクパーツ(不使用パーツ)を使って改造してみようかな、と無理なく思わせるとてもよいバランスのディティールです。

▲調理スペースは一体成型でいろいろ表現されていて雰囲気がにじみ出ております。

 このキットにはフィギュアが付属しておらず寂しかったので、フジミのフィギュアセットのメカニックを改造し、焼き鳥職人に転職してもらいました。フジミのキットもまさか焼き鳥を焼くことになるとは思わなかったとでしょうが、自分にはどんな仕事が向いているのかは自分では分からないものです。

▲前職はメカニックエンジニアでした!! 今は一国一城の主です!!

 厚紙に印刷されたタペストリーやデカールを貼ると完成です。「高圧ガス」のデカールや、大きなロゴのデカールを貼るごとにモリモリとやきとり竜鳳らしくなってくるので楽しくて仕方がありません。

▲完成!やきとり竜鳳は小資本であなたも加盟店にする!
▲やきとり竜鳳といえば、スーパーの駐車場の一角でいい匂いを漂わせているイメージですよね

 組み立てて塗装をしているうちに「このプラモデルが似合うジオラマが作りたい!」という思いが湧きあがり、スーパーの駐車場にいる光景のイメージがおぼろげながらはっきりと浮かんできたので、サンドペーパーの地面にプラ材でジオラマを作ってみました。

▲「ももとねぎまをタレで2本ずつお願いします!!」

 ピースサインをしているフィギュアも、やきとり竜鳳の前に置くと焼き鳥を注文している姿にしか見えなくなってしまいます。スーパーの駐車場の一角で焼き鳥が買えることは、この上なくピースなことなのかもしれません。

 移動販売シリーズはエントロピーが増大したハチャメチャなラインナップと思いきや、ふとこのような秩序の塊と言えるキットをさりげなく放り込んでくるところに、アオシマというメーカーの凄みと強さを感じました。

<a href="/author/cfueloil/">C重油</a>
C重油

1991年生まれ。山口県の小さな漁港出身。大きな港に就職し大きな船を見ているうちに船の模型が作りたくなり、フルスクラッチも始めた普通の会社員。

関連記事