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飛行機模型ちょっと自信ある人に贈るプラッツの変化球/イタレリのグラウラーを組んでみた!

▲窓際に並んでいる水筒みたいなものの話です

 生ビールはタップから出てきたのをそのまま飲むもの(ジョッキには注ごう)だと思ってたんですけど、最近は日本でもグラウラーという容器が流行ってるみたいですね。冷たくて炭酸がシュワシュワの生ビールを持ち運ぶことができる水筒みたいなもの。耐圧と保冷に優れていて、それなりの容量が入らないといけません。グラウラーという名前には諸説あるけど、キャップを開けたときに炭酸がゴフォ〜って音を立てるのが動物の唸り声(Growl)に似ているから……なんて言われているらしい。ほしいぞ、グラウラー。

 閑話休題。これは『トップガン マーヴェリック』で大活躍していたスーパーホーネットを改造して、敵の通信やレーダーを撹乱したり無力化したりするための飛行機……つまり、電子戦機のプラモデルです。こいつの愛称もまた、グラウラー。人の耳には聞こえない電子の唸り声で味方に有利な状況を作り出す頼もしいヤツです。

 飛行機のカタチは上から見ると「士」という字に似ているので、胴体を貼って翼を貼って、全体型が見えた状態のことをモデラーは「士の字」と呼び習わしますが、このイタレリ製キットは最初から士の字。ハコ開けたらもうガッチリ飛行機のカタチが見えているという胸アツ仕様です。

 イタレリのプラモは(アイテムにもよるのですが)、「プラモが初めて!」という人にとっては少し歯ごたえのある印象です。パッと見のパーツの印象はいいのですが、ピシッと組み立てようと思うと合わせ目をすり合わせたり、あいまいなところは実物の写真をじっくり見ながら正しい位置や角度を推測しながら進めなければいけないこともしばしば。そういう意味では「飛行機模型ちょっとわかってきたぞ!」という人にとって、比較的安価にバリエーション豊かな飛行機を提供してくれるメーカーだと言って良いでしょう。

 ディテールもあっさりしているところとパリッと締めてくれているところが混在しているから、見た目は小気味良いんですよね。しかし端正に組もうとするとデザインナイフやヤスリでひとつひとつのパーツの「本来あるべき姿」をしっかり出してあげる必要があります。

 パーツはイマドキの超精密なモデルに比べると控えめな数で、バンバン貼っていくとスピーディーにカタチになっていきます。説明書は輸入とローカライズを行っているプラッツのおかげで日本語になっていますが、数カ所「おや、実機と違いますね」というところや「パーツを付け忘れておるぞ!」というところもあるのでご用心(がんばれ中の人!)。ビールを飲んでほろ酔いだと少し危ない。実機の写真が豊富な世の中で良かったぜ。

 いろいろ書きましたが、わりと強引に組んでしまえば夕飯〜就寝までの短い時間でかなりでっかい(全長40cm近い!)グラウラーが姿を現します。キットにはとっても高品質なイタリア/カルトグラフ製のデカールや、窓とタイヤを塗り分けるためのカット済みマスキングシートも同梱。

 プラッツはこうして海外のいろんなキットをばんばんローカライズして「これ、どうっすか?」と提案しています。みんなもプラッツ&海外メーカーのダブルネームキットを買って「難しい!」「面白い!」と遊んでください。ちゃんと声を上げれば、説明書の記載や「良いキット」の評価もしっかりとメーカーに伝わるはずです。そんじゃまた〜。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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