
プラモデルの塗装をするときにですね、パーツの表面に油(とかフッ素とかシリコーンとか)が付着していると塗料が弾かれることがあります。国産のスケールモデルやガンプラを作っているとまず気にしなくても大丈夫なんですが、海外のプラモデルやレジンキャストキットなんかには離型剤という「パーツと型がスムーズに離れるためのケミカル」が付着したままパッケージされたものがあります。そうすっと塗料が離型剤に弾かれてなんかマダラになり、我々は悲しくなります。今日はこれを除去するための洗浄水の話。

上のは「ほら弾くでしょ!」というのを撮影しようとして未洗浄のレジンキャストキットに水性アクリル塗料を筆塗りしてみた図。あんまり弾かないじゃねえか!しかし爪で擦るとすぐに塗料が剥がれてしまうし、もっと顕著に「塗料が乗らねえ!」という現象には案外しょっちゅう出くわします。そんなときにハセガワから発売された「匠の洗浄水」です。このラベルデザインと名前がとても怪しい!中身は電解水……水?水で油が落ちるもんですか。本当に?

アルカリ電解水ってなんなんだ……というのをちゃんと勉強するとですね、全然怪しくない。なるほど化学の授業は受けておくものです。この洗浄水の場合は純水に炭酸カリウムをわずかに混ぜて電気分解したものでございまして、そうすると強アルカリになって油脂を乳化させたりタンパク質を分解する性質を持ちます。でも原料はほぼ水なので環境負荷がなくて無臭で人体への影響も非常に少ないのが特徴。界面活性剤を使用した洗剤よりも気軽に使えるのがよろしいです。

使うときは霧吹きに移し替えてパーツ表面にスプレーし、水ですすぐ、あるいは拭き取ればOK。トレーなどに出して漬け置き洗いもできますし、小さなパーツの表面を拭うなら綿棒に染み込ませて擦ってもちゃんと効果があります。プラモのパーツとかレジンキャストキットのパーツに対してあらゆる方向から吹き付けるなら逆さでも使えるタイプの霧吹きを買いましょう。100円均一ショップでも買えます。

海外製のプラモデルだと普通に触っただけで指先がヌルヌルするくらい離型剤が付いていて「これは明らかに塗料が乗りませんね……」という製品にもしばしば出くわしますし、国内製のプラモでも100%絶対に大丈夫なんてことはなくて、気持ちよくエアブラシでバーっと塗料を吹いてたら乾燥後にまだら模様が出てきてグンニャリ……ということもあるっちゃあります。
当然ながらそういうことがないように努力しているメーカーもたくさんあるので「なんでもかんでもプラモデルは作る前に洗いましょう」というのは個人的にあまり推奨したくないのですが、まあたくさん作ってると「あ、これはやばいタイプのプラモだな」というのがわかるようになります。まずはちょっと塗料を吹いてみて、弾かれたら全体を洗うことにする……くらいの運用でいいんじゃないかな。

そして油の除去と同時にタンパク質を含んだ皮脂もめっちゃキレイに落ちるのが最高。ツヤのあるカーモデルに指紋がつくとカッコ悪いものですが(とくに窓ガラスな!)、電解水を含ませた布で拭き取ると本当にキレイになります。カチカチに乾燥したラッカー系塗料は侵さないようですが、水性アクリル塗料は電解水で落ちてしまうので要注意。

「ほとんど水」なので洗剤のようにヌルヌルしたり泡立ったりせず、無臭で使いやすい匠の洗浄水。金属や皮革製品、眼球などにかかるとNGなので注意しながら使いましょう。そんじゃまた。