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雰囲気バツグンの塗料/フィニッシャーズの「ジャガーグリーン」でタミヤのゼロ戦を塗った話。

▲零戦のプラモデル、自動車のように塗装してみたかったんです。

 飛行機や自動車など、様々なジャンルのプラモデルを節操なく作っていると、そのモチーフ同士が頭の中でクロスオーヴァーし、思いがけないアイデアが沸いてくることがあります。タミヤのNDロードスターを光沢でツヤツヤに仕上げたら、今度は零戦までツヤツヤに仕上げたくなってしまったのです。車のように個人の交通手段として発展することの無かった飛行機、お前もツヤツヤのテカテカにしてやるからな。

 そこで、零戦のボディカラー「暗緑色」を想起させるような、ダークグリーンメタリックは無いものか……と探していたら、ありました。

▲フィニッシャーズの「ジャガーグリーン」です。右は専用うすめ液の「ピュアシンナー」。

 エアブラシでの塗装に特化した、フィニッシャーズカラー。初めて使いましたけれど、使い方はエアブラシにおける一般的なラッカー系塗料とほとんど同じで、とても良い感触でした。一番気に入ったのは、その「色」です。発色とか隠ぺい力とかでなく、雰囲気がとても良いのです。

▲ゴールドの粒子が混じっていますよ!

 ただのダークグリーンメタリックではありません。イギリスの自動車メーカー、ジャガーのボディカラーのひとつである「ブリティッシュレーシンググリーン」(私はしっかりと実物を見たこと無いのですが……)を想起させるこの色。フィニッシャーズの公式サイト(http://finishers.jp/fitem/jaguargreen/)には「ジャガーレーシングより実車の塗料を送ってもらい忠実に再現しました。」との説明があります。”模すること”に対する熱意を感じる塗料、最高じゃないですか。

▲塗装前によく攪拌します。とてもキレイ。

 ダークグリーンの奥にほんのりとブルーやゴールドの香りが漂う、複雑な味わいの色です。粘度が高く、秘伝のタレのような存在感。早速、塗っていきます。

▲飛行機の窓は専用のカット済みマスキングシートを買うとすっごく楽だぞ!
▲その前に、インテリアを塗装しました。

 しかしこれがいけなかった。成形色に大雑把に塗装した上の写真の状態で、ジャガーグリーンをエアブラシで重ねて塗装したところ、デザートイエローの部分が明るくハッキリと透過してしまったのです。ジャガーグリーンの隠ぺい力は、それほど強くありませんでした。しかし裏を返せばそれは、下地の色を活かして塗装できるということでもあります。

▲仕切り直しです。ガンメタのサーフェイサーを吹いて……
▲ジャガーグリーンを希釈して吹き付けます。あら綺麗。

 光の当たり具合で、ライトグリーンにもダークグリーンにも見えるような零戦になりました。「深みのある色」っていうのはこういうことを言うのでしょう。それに、トップコートも要らないぐらい、ツヤツヤのテカテカになりました。溶剤の特性でしょうか、乾燥が速いうえ塗料の食いつきも良く、光沢塗装がキレイに出来上がった印象があります。しかしその分、ニオイは強烈。防護マスクと、充分な換気は絶対に必要です。外で塗るのも良いかもしれません。

 フィニッシャーズカラーはクルマ模型専用の塗料というわけではなく、何のプラモに塗っても楽しめる塗料でした。絶妙な色がラインナップされているようなので、他にも色々試してみたいですね。次は戦車をテカテカのメタリックで塗るのも面白いはずです!

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ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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