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その船を漕いでゆけ/幽霊にオールを任せる瞬間を、プラモデルで楽しもう。

 手に持った船をこぐための櫂にバラが巻き付いているのがカッコいいなと思いながら、ウォーハンマーの『溺れし者アウラック』のプラモデルを買ってきました。幽霊があばら骨を船首とした船に乗っているという濃厚な造形にも興味を持ちましたし、こんな複雑すぎる造形をどうやって組み立てるんだろうという好奇心もありました。「ウォーハンマーなら、なんとかしてくれる」という期待と信頼もあるし、わかっているのに驚かされたいという欲求を満たしてくれるのがウォーハンマーだと思う。

 いざ箱を開けてみると、思ったとおりに幽体の表現がすごい。うねうねしているし、起伏に富んでいる。これが絡み合っていくのかと思いながら、ランナー全体を眺めていると、幽霊の頭が3つ並んだりしていて面白い。ウォーハンマーのプラモデルを何回か作っていますが、パーツがシンメトリーに配置されている部分があったりして、ちょっと魔法陣みたいでカッコいいと思う。ファンタジー要素が強めのAGE OF SIGMAのシリーズは特にそんな気がします。

 朽ち果てた船体にコインがいっぱい入った宝箱を取り付けるのが組み立ての最初のステップ。その後に作る幽霊たちは、どれも手にコインを持っています。宝箱のコインを奪おうとしているのか餞別として贈ろうとしているのか、どっちでしょうか。というのも、薔薇と骸骨には生と死という意味があるからです。それらを使い漂うアウラックの足を引っ張ろうとしているのか、送り出そうとしているのか。

 そうそう。最後の最後の、アウラックに櫂を取り付ける瞬間。ここがマジでヤバいです。「ウォーハンマーなら、なんとかしてくれる」なんて書きましたがそれ以上の驚き。うっかり見逃すくらいの精度の良さは、作っていて最高に気持ちが良いです。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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