手に入れました鬼滅模型 煉獄杏寿郎。竈門炭治郎に続いてプラモデルになった『鬼滅の刃』のキャラクターですが、この髪の毛、羽織はどうやって再現するんじゃろか〜と思いますよね。私の義母がめちゃくちゃ煉獄さんファンなのですが、これを塗装するのじゃ〜っていきなり渡すと結構困ったことになりそう。
羽織のパーツはビニール袋に入っていて、白〜黄色のグラデーションと赤い炎のような模様がバッチリ塗装済みです。黄色と赤のくっきりした境界はマスクと呼ばれる金属製の立体的なカバーを密着させてから塗装して表現されていると思われますが、白〜黄色のグラデーションはエアブラシでひとつひとつ塗られているはずです。マスクは結果が一定になるよう作られていますが、グラデーション塗装は工場の職人さんが手作業で同じ雰囲気になるよう仕上げているんでしょうね〜。手間がかかっておりますよホントに。
お顔は肌色のパーツにタンポ印刷機で何層にも塗装が重ねられています。凛々しい眉毛も瞳の細かな色もくっきり見えますし、造形的にも眉間のシワや口周りの立体感がどエラいことに。デカールを貼ったりシールを貼ったりという仕様だと福笑いのようになってしまうリスクもありますから、「誰も失敗させない!」という煉獄さんの強い意志がここに顕現しているという寸法。
顔に取り付けられる髪の毛のパーツは先端の赤い部分がマスク塗装に。凹凸の激しい場所なので、これを自分でイメージどおりに塗装するのは結構難しそうです。黄色も全く透けないプラスチックで、とってもよろしい。
ここまでビシッと塗装されている商品というのはつまり……塗装済み完成品のフィギュアとほとんど同じ工程を踏んでいますよね。素材がPVC(ちょっと柔らかい樹脂)か硬いプラスチックかという違いはあれど、かけられた手間はほとんど同じ(大きさ的にも似ているPVC製完成品フィギュアとだいたい同じ値段です)。だからこの商品の存在意義はは「煉獄さんをその手で組み立てたいかどうか」というところにありますよね〜。完成してしまえばプラモデルかどうかはほとんどわからなくなるほどビシッと塗装された煉獄さん。その高い完成度があるからこそ、組み立てる時間を楽しむ、というプラモデルの価値が際立つ一品でございます。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。