「いやいや、それは流行らないっしょ。10円玉と同じ素材じゃん」って思ってたのがブロンズ製の時計。もちろん、皆さんの財布の中にジャラジャラ入っている10円玉のように色も変わるし輝きも失われてくる。
そんなブロンズ時計もすっかり市場に受け入れられたのか、各社ラインナップに加えています。風合いの変化を加速させる方法や、あるいは輝きを取り戻す方法なんてのも話題になったりして、結構楽しそうです。そこで「ブロンズとマッチするから」という理由で頭角を表してきたのが緑色の文字盤です。
この「ブロンズと緑の組み合わせ」は時計のトレンドとして存在感を示していて、高級時計でなくともブロンズ風のケースに緑の文字盤なんて時計も増えています。
「そのトレンドをそのままプラモにしたのか?」と驚いたのがメイドロイドのクロエのアンティークVerです。正直な話、これは驚きました。こういう成形色のセンスで、心を動かしてくるプラモデルがあるのかと。
ブロンズと緑の組み合わせだけなら、話はこれでおしまいなのです。ただ、それだけじゃない。シャツは白ではなく、アイボリー。思わず「そうそうそう!」と言いたくなる色合いはヴィンテージのヨーロッパ古着を取り扱うお店でよく見かけるシャツやブラウスの温かみのある色合いにそっくり。
ピンク色のリボンもやや渋いので、全体の調和を見出さないという……。完全に分かっているプラスチックの色の組み合わせは作る前から既に楽しかったです。
完成した姿を見て、さらに驚きました。やっぱり「アンティーク感」がしっかり出ているんですよね。なので、通常版とは違うかわいさで魅力満点。
我が家にはアンティークだとかヴィンテージと呼ばれるものがいくつかあります。クロエはそれと同様に少しくすんだ感じの色合いが一番の持ち味。地味になりすぎず、かわいさもバッチリキープされているのは、成形色の妙だと本当に思います。
そうそう、ブロンズ製の時計のいくつかは優れた定番品をベースに作られたものです。定番品の色違いにグッとくる魅力があるのは時計もプラモデルも一緒なのかもしれないです。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。