「プラモデルは色を塗って遊ぶもの」と思っている人でも、絶対に自分で塗ることができない色があります。それが透明。かつてスティーブ・ジョブズがiMacをクリアーカラーにして爆売れしたように、ハセガワのメカトロウィーゴも半透明のパーツを採用して爆売れ……しますねこれは。だってかわいいもん。「ごーすと」という商品名。そしてイロチの「しーするー」と「ぽんちょ」の2体セット。ワードチョイス、ひらがなチョイス、すべて完璧。
箱を開けた瞬間に「わ、これはカワイイな」と声が出ちゃう配色です。ソリッドカラーの2色(おもに外装パーツですね)と可動パーツの半透明の組み合わせ(こいつが「ポンチョ」)。しかもすっごいのは、オリジナルの「メカトロウィーゴ」のボディパーツも入っているけど、これは使わずに裾がまあるく広がったおばけ(=ごーすと)のようなシルエットのボディパーツを使う仕様になっていること。
「ぽんちょ」もさることながら、個人的にはこの「しーするー」の配色がツボ。夏に見る和菓子ってツルンとした寒天の向こうに餡が入っているのがすっごく清涼感あって食欲をそそるのですが、それに等しい組み合わせだと思いませんかこの半透明と紫色。率直に言ってうまそう。プラモに向かって「うまそう」というのもなんだかおかしな話ですが、しかしうまそうなプラモとそうでないプラモがあることは真実だと思います。
しーするー&ぽんちょの2体入り。親子で、パートナーと、友達と。箱開けて袋をバリバリと開けてランナーをわちゃわちゃ選んでも、ふたつのキットは好きに組み合わせることできます(同じ形の色違いプラモが楽しいのはそこだと思う)。バリエーションの元となったノーマルな形状のメカトロウィーゴも組める内容となっていますので、好きな色、好きなカタチを選んで組みましょう。夏の終わりに、あなただけのごーすとを。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。