ファンタジーって細かな現実の積み重ねで説得力を持たせている点が好きです。なので、設定集を読んだりとか、作品には描かれていない背景世界を知るのが好き。それでいて、デザインコンセプトを知る機会があるとさらに良い。
そこに「組み立てて、知る」という独自の工程を味わえるのがプラモデルかなと思うこともあります。それにしてもウォーハンマーのアデプトゥス・メカニカスのベリサリウス・カウルはすごかった。
下半身なんてあっという間に出来上がってしまうのですが、ジャラジャラとしたケーブルや手脚がすごい。裏側までしっかりと作り込んでいるから「こいつは、自分のことをめちゃくちゃに改造して、こうなっているっぽいんだな」というのがすぐにわかります。
この「瞬時に理解する」という感覚がめちゃくちゃ気持ちいいんですよね。百聞は一見にしかずというか。ローブなんかもボロボロなので、あまり見た目を気にするタイプではなさそうだな……なんていう風に、彼の性格も伺い知れます。
上半身はこのプラモデルの見どころ。演出の集大成といった感じで、杖や鍵を持っている指先の表情が全然違う。この凝った造形が本当にすごい。その中でもこちらを指差している二本の腕は最高。
何が最高って、他の腕はそれぞれ自由に動いているのに、この二本だけは同じポーズをしているんですよね。「もしかすると、この二本だけは連動しているのかな?」と想像したくなります。
組み立て終わるまでに色々な想像が頭の中で起きて、完成すると「まさに機械の王といった感じだ!」と勝手に納得します。見たことも聞いたこともないキャラクターを作り、その存在を認めてしまう。プラモデルって本当にすごいなって思いました。
色を塗らずに置いておいてもいいかなと思いましたがタミヤのエアーモデルスプレーのネイビーブルーを使って濃紺にしてみました。これはこれでいい感じですね。塗装もしてみたので、それはまた別の機会に。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。