「ウォーハンマーを作ってみたい」とずっと思っていた。『ウォーハンマー』というミニチュアゲームは使用するコマがプラスチックモデルの形態で販売されている。ゲームはプレイせずとも車や飛行機のプラモのように、組み立てて楽しめるのだ。
最近、私の周囲にウォーハンマーを作る人が増えてきた。それで、興味関心のダムがとうとう決壊して、そのまま仕事帰りにウォーハンマーストア神保町へ足を伸ばすことにした。そこで驚きの体験をすることになる。
接客のレベルが異様に高いのだ。これには本当に恐れ入った。私が「プラモデルとしてウォーハンマーに魅力を感じている」だとか「アデプタ・ソロリタスという陣営に興味がある」という話をすると、ひょいひょいっとアイテムを提案してくれる。しかもそれがびっくりするほどうまい。
最初は、お手頃価格の人型のミニチュアが一体入ったもの。「それよりも人が操縦するマシンみたいなのが良い」というと、もう少し大きいものを勧めてくれる。多分この辺で、私が買う気満々なのを悟ったのだと思う。
こちらが欲しいものを話す。そうすると、店員さんが答えてくれる。それに加えて、さりげなくウォーハンマーの世界観を伝えてくれる。そうするとウォーハンマーの世界に興味が湧いてくる。不意に「お兄さんのオススメはなんですか?」というと「これですね」といってアデプトゥス・メカ二カスのベリサリウス・カウルというキットを出してきた。
自身で塗装した作例も見せてくれて、ベリサリウス・カウルの魅力を教えてくれた。これと他のプラモデルで悩んでいたら、お兄さんが私にこう言い放った。
「プラモデルを普段から作るならベリサリウス・カウルがオススメです。これはパーツの分割が面白いし、『よく金型から抜いたな……!』と驚くようなパーツも入っています」
このフレーズにやられて、迷わず購入することした。会計時にも、直営店舗内に設置してある端末で店に置いていない商品をチェックできることを説明してくれたりと、「このお店では何ができるのか?」をしっかりと伝えていてマジでかっこよかった。店員の鑑だ。どの業界の店員さんの中にもこんな風に「要望を引き出した上で自分の提案で押し切ること」ができる人がたまにいる。ウォーハンマーストア神保町での買い物で、「なぜこのように商品を勧めるのか」というロジックがよくわかった。
店員気質がなかなか抜けず、こんな風に接客の仕方を考えてしまうのだけど、ウォーハンマーストア神保町の接客は本当に痺れた。なので、また行こうと思う。
>Games Workshop/Belisarius Cawl
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。