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ご自由にお使いください/スーパーアバンテJr.に用意された「Bパターン」のおもてなし。

▲名車アバンテの名を冠する期待のニューマシン!遂に発売!

 スーパーアバンテJr.。ミニ四駆者はスパンテJr.って略して呼ぶんですよ。今回はこれだけでも覚えて帰ってくださいね、お客さん。今回はコイツを気分よく組んでいこうって話なんですよ。さぁ、御開帳!

▲ほんの数年前まではミニ四駆の説明書は長い紙を縦方向に進行するフォーマットだったんだよ…

 昔ミニ四駆を作ったことがあって、ここしばらくミニ四駆の新製品に触れていない人なら、まず説明書を広げた瞬間にビックリするだろうね。この説明書、横方向に進むんだよ!実は横書きフォーマットの説明書はこのキットが初めてではなくてレーサーミニ四駆シリーズでは2020年8月発売のトヨタヤリスGRから採用されている。「アバンテ」だけでなく「ミニ四駆」という大枠がどんどん変化しているのを感じてしまう。

 最近のバギースタイルのミニ四駆はキャノピー(窓)が別パーツ化されたモノが増えてきていて、このスパンテJr.もその典型。マスキングなしで窓を塗り分けられる。これならちょっとした出来心で塗装してやろうという気にもなってくる。ミニ四駆を真面目に塗ろうと思った時の最大の難関だからね…キャノピー。

 面倒なマスキングがないならちょっと他のところも塗ってみるか……。サスペンションとか金属パーツのとことか、カウルとは別の素材であることを主張する黒色になるトコとか。筆でちょいちょいと塗ってみる。ど真ん中にあるスプリングを塗り分けると、急激に精密感が上がってくる!

 ノーズの二つの出っ張りを黄色く塗っておけば残りはシールで箱画の塗り分けになると思ったのだけど、塗装指示を見つめていたら全然足りなくて案外広い範囲に黄色を塗る必要があるらしい……。
 塗らずに済ませるという選択肢も当然あるのだけど、細かいところは塗っておいてこの広大な黄色をスルーするの?「説明書上ここまでは塗ります」って理解しちゃった以上ここで止めたらまるで僕が只の面倒くさがり屋みたいじゃん?(いや、確かにここをマスキングして黄色を塗るのは面倒くさいのだけど…)

 青いボディの真ん中に黄色がズドンと入っているのがこのカラーリングの魅力。なのにこの小さな小さな黄色いシールがノーズ先端にちょこんと乗るだけ。「残りのキャノピーまで伸びる黄色は塗装してね!」って、ライト層まで優しく包みこんでくれるハズだと思っていたミニ四駆の仕様としては……ちょっと厳しくない?

 でも、気付いちゃったんだよね。「シール番号18、19はご自由にお使いください。」って記述に。分かっちゃったんだよね、シール番号18、19の意図に……。これはどう考えても「塗装しないで作る人に対するBパターン」なんだよね!とくに黄色を塗らない人のために練り上げられている気がする。だってこのマシンの説明書における塗装指示で一番難易度が高いの「サスペンションの塗り分け」じゃなくて「青いプラスチックのボディに黄色を塗りましょう」だと思うから。

 そんなわけでタミヤさんのおもてなしに全力で甘えるぜ!僕なんかちょっと背伸びして突起のとこだけ黄色に塗ったからココを塗らないヒト達とはちょっと差がつくけどね!(自慢)
 そんなこんなでスパンテJr.「ご自由に使ってみましたVer.」ギブ・バース!パッケージイラストとは違う仕上がりだけど、このシールはこのシールでちゃんと「別の仕上がり」を意図したデザインだってこと。ノーズに一本黄色が走って、イイじゃん!カッコいいじゃん!

 コレは開発チームがあらかじめ折りこんでいた救済策(?)であると同時にシール仕上げデザインの最先端。タミヤが長年培ってきたシール仕上げの魔術。ミニ四駆という常にライト層からヘビー層までを切り分けることなくジャンルを育て続けてきた環境がもたらした「妥協ではないB案」という回答!
 いや、回答ですら無いのかもしれない。あくまでもこのシールは「ご自由にお使いください」としか書かれていないのだから……。

 ミニ四駆にはプラモデルの大切なことのだいたい全部が詰まっているよ……(ポロロン)。

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HIROFUMIX

1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。

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