エアブラシワークが一気に安定!コンプレッサーへの「タンク増設」を超オススメする3つの理由。

 エアブラシのコンプレッサーとハンドピースのあいだに補助タンクを増設するとめちゃくちゃ塗装がイイ感じになる、という話をします。タンクというのは「一時的に空気を溜めておく部屋」のことで、別に電源が必要だったり特別音を出したりもしません。コンプレッサーで圧縮された空気をタンクに一回溜めておいて、そこからハンドピースに一定量の空気を流す、というダムみたいな役割を果たします。PROFIX製のタンクは当サイトで紹介して爆発的な人気を博した「NITRO COMP V1」とデザインのトーンも揃えられているので、(そして前からタンク買おうとずっと思っていたので)こちらを導入してテストしました。

PROFIX AIR-SYSTEMS エアブラシ用エアータンク T-25

 増設タンクを実際に導入して感じたメリットをまず3つ書いておきます。

■脈動の減少とドレンの分離に効きます
 ホビー用のコンプレッサーはだいたい「空気をなんらかのポンプで圧縮してエアブラシに送る」という機械です。それで充分塗装はできるのですが、厳密に言うと「出てくる空気が微妙に脈を打つ(=ハンドピースから出てくる空気が安定しない)」「空気中の水分も一緒に圧縮するのでハンドピースから水が飛び出す」といった現象に見舞われることがあります。とくにこんな長雨の季節はなおさら。
 しかし、上流からドバドバと送り込まれる空気の流れを一回補助タンクにとどめておくことによって、脈動のない空気が出てきます。また、空気と一緒に圧縮された水やホコリがタンクの中で空気と分離する可能性が上がります。これによって直接ハンドピースに異物が流れ込むトラブルが減少します。

■コンプレッサーの寿命が伸びます
 最近は静音や消費電力の節約のために「圧力スイッチ」の付いたコンプレッサーが多く売られています。これはコンプレッサーより下流に溜まっている空気の圧力が一定値になると、自動的にモーターが止まる機能です。普通はハンドピースから塗料を吹き出すとオンに、塗装をやめるとオフになりますが、100回ハンドピースのトリガーボタンをプッシュしたらコンプレッサーは100回オン/オフを繰り返すことになります。
 しかしダムの役割を果たす補助タンクがあれば溜まった高圧の空気を必要なときに必要なだけ使うことになるので、コンプレッサーは「あ、タンクの内圧が下がってきたな」と思ったときだけ作動します。オンオフの回数が減り、コンプレッサーにかかる負荷も下がります。

■立ち上がりの圧力低下がなくなります
 私はせっかちなので、濃いめの塗料を高圧でガンガン吹きたい。圧力スイッチ付きのコンプレッサーは使用していないときに動作しないので静かなのがイイのですが、吹きはじめのほんの一瞬、「あ、レギュレーターやホースの中の圧力が下がったな」と察知してスイッチがオンになるまでほんのわずかなラグがあります。きっちりと圧力が立ち上がってから吹けばいいのでしょうが、どうしてもそれが身につかない。
 最初にハンドピースのトリガーを引いてスー……と空気が出てから、ドワッとコンプレッサーが立ち上がるというラグが、補助タンクの導入によってなくなりました。リニアに吹付けがスタートするのがすごく嬉しい。もちろん、低圧で吹くときの安定感も猛烈に上がります。タンクひとつでこんなに変わるの……?と驚くくらい。

 反対に、ふたつの注意点が挙げられます。

■圧力スイッチ付きのコンプレッサーを使うことが推奨されています。
 このタンクにはいくら空気をガンガン送り込んでも爆発することのないよう7barで動作するセーフティーバルブが付いています。とは言え、圧力スイッチの付いていないコンプレッサーでこのタンクに空気を充填し続けるのはどう考えても高負荷な運転になります。
 常時ドロドロとコンプレッサーの作動音がしているのも、タンクを使用するメリットをスポイルしてしまう原因になりますから、ぜひとも圧力スイッチ付きのコンプレッサーを使用しましょう。

■場所は取る。
 サイズはL255✕W140✕H197なので、コンプレッサー(NITRO COMP V1)とほぼ同等のフットプリントがあります。音を出したり振動したり電源を使ったりするわけではないのでただそこに佇んでいるだけのタンクですが、場所の確保は必要になります。机の下などに設置して、長めのホースを使うのもいいでしょう。

 コンプレッサーのオンオフ回数が減り、圧倒的に安定した空気が供給されるエアブラシシステム用の補助タンク。工業用のコンプレッサーはもちろん、超高級なホビー用コンプレッサーでは最初から補助タンクの装備されたモデルも入手可能ですが、安価で用途に合ったサイズのシステムが組める(しかも後付けでデザインラインが揃えられる)というのはナイスな選択肢です。NITRO COMP V1をお持ちの皆様も、これからコンプレッサーを導入したいアナタも、補助タンクを導入してスムーズな塗装を実現してください。思っている以上に、効きます。

PROFIX AIR-SYSTEMS エアブラシ用エアータンク T-25

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。