キャラクターモデルの多くがスナップ式で接着剤不要となっている現在、スケールモデルでもその流れが確実に広がっています。とくにフジミ模型はスナップ式のスケールモデルに最も挑んできたメーカーで、航空機ならF-35、艦船模型なら艦NEXTというシリーズを、そしてカーモデルなら車NEXTでスナップ式のキットを発売しています。
実際にスナップ式のキットは短時間で完成するものが多く、ことフジミの車NEXTシリーズは色分けという意味でも頑張っているシリーズです。このジムニーはパッケージがまるでカタログの一枚写真ですね。俺は山のオフロードを走っていくんだ! と言わんばかりの主張。縦構図のパッケージはどのジャンルでもかっこいいんです。
車体の色もじつはいろいろ発売されていて、今回はクールカーキパールメタリックを選びましたが、ジムニーはブルーイッシュブラックパールというバリエーションがあります。このカラーバリエーションが最初から発売されているので、塗料を用意しなくても実車のカラーオプションを楽しむことができます。
さすがにすべてをパーツ分割することはできないので、シールで補完しています。これもまたよくできています。車内に使う部分が多く、窓からのぞいた時に見えるとうれしいメーター類や、ギアレバーの表示など、貼りたくなるようなものがそろっています。
何より楽しいのがこのフロアマットです! つねに車のなかでひそやかに我々の足を受け止めるマット。いかにもシール向きのアイテムで、たとえ完成後見えなくてもそこにマットがあるんだよ……という気持ちを高めてくれるアイテムです。
このジムニー、オフロード車だよということを最も意識するのがこのシャシーとフレームでしょう。まずラダーフレームをガッチリと取り付けて、そこに強そうなバネを備えたアップライトとアームをドンと差し込みます。おおっとこれも四輪駆動だからドライブシャフトが前後に伸びているじゃありませんか。
ドアの窓枠はガラスと別パーツになっていたりします。裏からパチッとはめて取り付けるだけ。この窓枠が別になっているの、けっこうレアですよね。うれしいパーツです。
フロント部分はパーティングラインなどが表に出ないようになったり、サイドウインカーが透明パーツにできたりと、工夫の凝らされた巧みな分割。そしてパチパチ組んでしっかりハマるよい精度。
作業時間も短くアッという間に完成します。この丸みがまたたまらないですね~。
スナップ式ならではの簡易さと、パーツの色分けや実車の再現度。車NEXTのシリーズは両方のバランスをうまくとりながら、私のような模型作りのあいだに模型を作りたいジャンキーでも満足できるようなアイテムを創り出しています。ジムニーのような軽快さでつくれるさわやかなキット、模型作りの休日にも寄り添ってくれるピッタリなプラモデルですよ!!
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。