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ツヤをコントロールして飛行機模型に「実感」を足すベし!

 『エースコンバット7』のグラフィックのこだわりに関する記事を読んでいたら、いてもたってもいられなくなったホル塩、今作っているキットであることを試してみたくなりました。飛行機模型に「ツヤのムラ」を作るという実験です。

 ホル塩は専用の溶剤やリターダーを用いず、タミヤアクリルを水で溶いて塗る手法をメインにしています。専用の溶剤で溶くよりもカッサカサの艶消しに仕上がるうえに、水の量が多くなると白っぽく退色します。その質感がハマるモチーフもあれば、思ったような仕上がりにならないケースもあって、色の道の奥深さを思い知らされてきました。いま作っている航空機(F-111)は上面がつや消しのブルーグレー1色、どこかのっぺりとしてしまって、なんとか実機感を出したいのですよね。

 確かに高空の紫外線や、海からの潮風、あるいはエンジンなどが発する熱の影響で塗装が痛むとはいえ、機体全体が均一にツヤを失うわけではありません。で、やってみました。基本色で機体全体をつや消しに塗あげたうえで、同じくタミヤアクリルのX-22クリアーをリターダーも用いて薄めに溶いたものを作ります。細い筆を用いて、のっぺりとしたパネルのキワ、胴体の翼との境目、胴体の上端とか、水が溜まりそうなところ、油がにじんでいそうな場所にちょんちょんと乗せていきます。するとどうでしょう。まるで雨が降ったあとに、機体が乾いたところと、まだ濡れたままのところを思わせるコントラストが生まれたではありませんか!

 以前ご紹介した宿題キットのレベルの旧版ファントムも、こんな感じに……。明るいグレーなので見分けにくいと思いますが、翼の折れ曲がるところに光沢が残っているように見えます!

 いままで機種やマーキングによってはカッサカサにしすぎて、まるで博物館など野外で長期展示されている機体か、もう使われなくなって基地の片隅に駐機させられたままの機体みたいな仕上がりになったケースがありましたが、これからはそれを防げそうです。X-22クリアーとリターダーはホル塩の塗装用トレーに常駐が決定しました。みなさんも、ツヤを足して飛行機に実感を加えてください。

ホル塩のプロフィール

ホル塩(ほるしお)

宇宙戦艦ヤマト劇場版を小学校1年生で、ガンダムを2年生で、マクロスを5年生で体験した世代。以前は雑食でしたが、四半世紀にわたるブランクが明けてからは1/72の「第二次大戦以降/ステルス機以前」の航空機を作っています。リビングの隅っこでやってるので、基本水性塗料の筆塗りしかできないですが、それでもじゅうぶん幸せです。

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