週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はタミヤの新作戦車模型「1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ イギリス主力戦車 チャレンジャー2 イラク戦仕様」をご紹介します。僕は戦車模型が大好きなのですが、久しぶりに震えました……。こんな組み味の戦車模型があったらいいな~と思っていたことの全てが詰まっています。それを可能としたのが、たった2パーツの「桁」なのです。そのパーツをはめた瞬間「これがチャレンジャー2の中心なのか……」と感動したのです。1秒でも早くみんなに組んでもらいたいプラモ、タミヤ 1/48 チャレンジャー2。この記事を読んだらぜひとも買って欲しいのです!
各ランナーを見ていくと、完成後のゴツい雰囲気からは離れたシンプルな構成。特に注目すべきは、履帯や転輪が付いている2枚のランナーです。このランナーがこのキットの全て。このランナーに、先述した「桁」がいます。
シャーシに2パーツの桁をセットします。この桁から上方向、横方向に生えている軸に注目してください。さぁ、組んでいきますよ!!!
履帯の上面は、この戦車のサイドスカートでほぼ全て隠れてしまいます。そのデザインを利用し、履帯は見えるところまでしかパーツが存在していません。上面の履帯の終着点がこの小さな軸なのです。ここにスポッとひっかけるだけで、キレイに履帯が収まります。
ブレないズレないの組みやすさの他に、もうひとつ突出しているのが「塗りやすさ」です。車体パーツに接着する全面増加装甲のパーツを車体側だけに接着してください(説明書では車体とシャーシが合わさる場所に接着指示があります)。それをするだけで、この戦車はカタチになったあとからでもバラバラに分解できます。
チャレンジャー2のデザインを見事に読み取り、たった2つの桁パーツでここまで快適な組みやすさと塗りやすさを可能としたタミヤの開発スタッフに本当に感謝。こんなに楽しい戦車模型は初めてだったかもしれません。内側の構造だけでなく、フィギュアやサイドスカートの造形も素晴らしいです。
昨今のタミヤの1/48スケール ミリタリーミニチュアは、1/35スケール ミリタリーミニチュア(タミヤが誇る戦車模型の王道ブランド。戦車模型のスタンダードを作ったシリーズです)とより明確な差別化をしていこうという狙いが、そこかしこに見られます。よりコレクションしやすく、多くの人が組み立てられるものを届けたいという工夫……これに、あなたの手が実際に触れた時「あ、プラモって楽しいな」「なんか簡単に組めたぞ」と言う感動を感じることができるはずです。チャレンジャー2のプラモは、その一つの到達点であると思います。これが通過点と言われる前に、新鮮なうちに、ぜひタミヤのコレクション戦車プラモの今を体感してください!!! 最高の週末をお約束します。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)