1/32のスカイボーイたちをプラモで眺める/ICM 第二次世界大戦 ドイツ空軍 パイロットセット

 2012年、「シティボーイ」というやや使い古されたフレーズを標榜し、ファッション雑誌の『POPEYE』がリニューアルされた。
 新たな誌面は、既存のファッション雑誌ではキャッチしきれていなかった、パリコレとか海外の街角スナップの端っこにいる「なんか良い感じの男たち」を見事に補足し、スタイリングとして定義した。「気取らない感じがかっこいいんだぜ」という力の抜けた雰囲気を狙った点が、『relax』という一大カルチャー誌を作ったマガジンハウスらしく、とても素晴らしいリニューアルだった。

 リニューアル後のPOPEYEのように、プラモデルの世界で「キャッチしきれなかったゾーン」を切り取っていると私が思うのがウクライナのメーカーのICMだ。
 とくに1/32スケールの飛行機の世界を彩るフィギュア達が代表的で、顔はなかなかの男前。飛行機に搭乗する前後を描いているので、戦いの真っ只中ではないものが多い。なにより、かっこいい服装をした男たちがラインナップされているのが魅力的で、地上で戦う男達と雰囲気が違う。よく考えたら、飛行機で闘うので、本人はあまり武器を持たず、装備でごちゃごちゃしないので、かっこよく見えるのだろう。

 それにしてもこのシリーズ、1/32というスケールなので、同スケールの飛行機は巨大になる。そのせいか、あまり語られることがない。
 「自分が初めて作ったのでは?」と勘違いするくらいに完成品を見かけない世界だからこそ、かっこいい服装の男たちを切って貼って「おおー! いいな!」なんて自由に遊べる。そんな中でもICM 1/32 第二次世界大戦 ドイツ空軍 パイロットセットたちは3人とも立ち姿なので並べるだけで、フライト終わりの談笑の様子が出来上がる。微妙な服装の違いや、少し気取った立ち姿が1/32フィギュアの中でも屈指の名作。
 パリコレの端っこに写っている人がおしゃれだ! と気づくように、飛行機の端っこのパイロットがかっこいいんだ! とバシバシプラモデルにしてくれるICMには感謝しかないし、他のラインナップも作っていこうと思えるのだ。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。