プラモを作り始めてから「うわー、そこピンポイントで持ってないわ!」となりがちな工具ナンバーワン(しかもドンピシャのを持っていないとうまく作れない)がピンバイス。ドリル刃を装着して指定された直径の穴を開ける工具です。たとえば上の写真のような指示が出てきたら直径0.8mmのドリルを探し出し、ピンバイスのチャック(ドリルを固定するための仕組み)を適切なものに交換してしっかりとネジで固定し、いざ穴開け。終わったら適当にケースに戻して……あれ、どれが0.8mmのドリルだっけ……ってなりますよね。オレはなる。
そこに颯爽と出現したのがゴッドハンドのクイックドリルビットです。直径違いのドリルが5本セットになっており、専用のケースに収まっています。そしてどのドリルも同じ形の「4mm六角軸」に固定されているので、4mm六角軸のピンバイスを持っていればワンタッチで交換可能。なにこれ偉すぎる……。
じつはゴッドハンドからはパワーピンバイスという「丸軸が全部同じ直径でドリルの太さだけが違う」というアイテムも売られているのですが、私はねじでドリルを固定するのがちょっと苦手なので、好みで選べるようにどっちもラインナップしてるんですね〜。
こちらはドリルの直径0.5mmから0.9mmまで0.1mm刻みで5本が揃ったAセット。タミヤの説明書でよく見かける0.8mmはここに含まれています。ガンプラ作る人は0.5で穴開けてから0.9でちょっとだけザグる(穴の入り口だけを広げる)とそれっぽいディテールを楽しめるぞ。六角軸に直径が書かれているのが最高なのと、細いドリルは折れやすいのでちょっと短めになっているのが偉い。
こちらは1.0mmから3.0mmまで0.5mm刻みで5本が揃ったBセット。プラモの説明書では1.0mmが頻出です。あとは真鍮線やアルミ線をブスーっと刺して補強したり軸を通して位置決めしたいときに1.5mmや3.0mmはめちゃくちゃ重宝します。こういう大きめの穴を空けるときは中心を出すために先程のAセットから細めのものでセンターの穴を開けてから広げるようにすると思った通りの位置に穴を開けられますよ〜。
これを取り付けるピンバイスですが、ゴッドハンドからはクイックパワーピンバイスというものが別売りされています。こちらは内部にマグネットが仕込まれているのでドリルを差し込むだけでピチッと固定され、ドリルの交換もラクラク……とのことですがちょっと値段がお高めに感じるかもしれません。
試しに手持ちのウェーブ製HG ワンタッチピンバイスに装着してみたところ、4mm六角軸は共通規格なので問題なく固定されました。普段から使っているものに買い足しできてラッキーですねこりゃ。
これで「ドリルの直径が目視でわからないからノギスで測る」「どの直径のドリルを持っていたか忘れて毎度あたふたする」という悩みは解決……。片付け下手のワタシが本当にありがたいと飛びついてしまったこのアイテム、セット価格でかなり安価に各直径のドリルが揃えられてしまうのでぜひとも導入してください。とりあえずAセットとBセットがまずはおすすめですが、1.2mmという指示もプラモではよく見るのでその場合はCセットを。Dセットはパイプ同士の組み合わせなどこだわりのすり合わせで活躍しそうなので、こちらもぜひ!そんじゃまた。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。