

グーグルサジェストにも「デカい」と言われるクルマ。
2018年、秋の富士スピードウェイ。私もWEC富士の耐久レースは、秋の楽しみとして毎年参加していました。そして、その年のル・マン24時間レースで悲願の初総合優勝を成し遂げたトヨタTS050との邂逅を楽しみにしていたのです。ところが、サーキットを見ているとなにかすごく……圧のあるマシンがいるのです。ていうか、デカくない? 物理的に。しかもトリコロール。ガンダムか? いや、ガンダムみたいな、BMWのレースカーが走っている……。いつの間にか、心がガンダ……いや、BMW M8 GTEへと吸い寄せられていたのです。

BMWはドイツのメーカーで、モータースポーツとの関係も濃いものがあります。ドイツではDTM(ドイツツーリングカー選手権。市販車をベースにしたツーリングカーで争われるドイツ独自のレース)で、名だたる同国のメーカーと覇を競い、F1でもチームとして、あるいは優秀なエンジンサプライヤーとして何度も頭角を示しました。
現在はツーリングカーのカテゴリーに優れたクルマを提供して、たとえばBMW Z4は初音ミクのグラフィックをまとって日本のGT300シリーズを制したり、M6は各国のGT3カテゴリーで良い成績を収めたりしています。また模型と親和性も高く、Z4もM6もプラモデルになっていますね。
2018年の富士スピードウェイで私が惚れた「BMW M8 GTE」。サーキットでひときわデカく(本当に見たままで他のクルマよりひとまわりデカイんです)輝くあのガンダムみたいなクルマ。しかも活躍したシーズンも2018年と2019年のル・マン24時間レースまでと短い。これのプラモデルは出ないだろうなぁと思うのが当たり前というもの……。

ところがどっこい、nunuが!!! プラモデルにならずに歴史からこぼれた名車を次々と立体化するこのメーカーがやってくれたんです。このレアなBMWのマシンを発売してくれたんです。俺のために作ってくれた! いやそうではないけど、そう思って買いに走ってしまいました。

ボディはやっぱりフロントのデカさがはっきり。というか、リアは比較的シンプルですね。下側が別パーツですが、、この時点でまごうことなきBMWの姿なんですよ。

キットはシンプルながら、しっかりとマシンを表現しています。完成後は見えないようなコクピット底面までモリモリ作ってあって、ポテンシャルの高さを伺わせます。

コクピットの密度もいい感じです。ステアリングのスイッチ類がパキッとしていて、頑張って再現したい、塗り分けてみたいという欲求が生まれます。

面白いのはしっかり給油部分が内外に再現されていることです。サーキットの周回方向によってピットでの給油を右からするか左からするか変わるのですが、このパイプを組み替えて反対側にしているのでしょう。

どっかん! 完成するとやっぱり迫力ある姿です。BMWといえばこのグリルですよね。この鼻の穴のようなグリルの色が、2台でそれぞれ違うのも面白いところでした。赤いガンダムと青いガンダムがいて、サーキットでもどっちか判別しやすいんですよ。

富士スピードウェイでの姿。日本でまともに見られたのはこのレースぐらいでしょう。キットではデイトナでの勝利した姿なので給油口が左です。こちらのレースでは右側が給油口なのでふさがってますね。


どーん! 迫力のフロントがやっぱりたまらない。nunuというメーカーは、ラリーカーを中心に、こうしたニッチな現代耐久マシンも立体化するアツアツなメーカーです。魂のBMW M8 GTEには心躍らされました。こういう自分だけが好きなんじゃないかと思ってしまうようなアイテムが発売されたとき、このキットは僕のために作ってくれたんだ! と叫びたい気持ちになりますね。きっとこのあともあなただけのプラモデルが出てくることでしょう。注目です。