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’80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録を読んでいたらリアルロボットプラモデルが届いて俺の回顧録が完成した話

 私が組み立て中のリアルロボットプラモデル、それを手にした息子(4歳)が「これはライトだねー。タイヤもある。ドンドン(機銃)もあるねー」と話しかけてきた。そのアイコンを知覚する事で、彼はフィクション世界のメカの模型に「リアル」を見出しているんだと感じました。理解が及ぶモノに魅力を感じているのかな? そして自分も、彼のような年頃には同じようにアニメ作品や模型に「リアル」を見出して楽しんでいたのだろうか。

 そんな風につい思考を巡らせてしまうのも、2022年の新年早々、40年前の「リアルロボットという熱」を呼び起こされる特異な読書体験をしたからです。今回は思いを馳せるきっかけとなった、その推したい書籍をまず紹介します。そして読後にはリアルロボットのプラモデルを手にしてもらいたいのです。その一連にはオジサンのノスタルジーよりも、新たな知覚を得た喜びがあったので(Kindle Unlimitedに加入すれば初月無料で読めます!)。

著:あさのまさひこ, 著:五十嵐浩司
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 2022年1月14日発売『’80sリアルロボットプラスチックモデル回顧録』(以下「回顧録」)を知った際、これはいち早く目を通さなければッ!と手にし、夢中で読みきった3日間でした。当時5〜9歳だった自分のおぼろげな記憶がグイグイと呼び覚まされ、そのうえ1980年代前半の情景がディティールアップされていくという、特異な読書体験でした。それは「狂乱の4年間」と謳われるその時代を全力で受けとめた、あさの五十嵐両氏による対談が思慮深く、それでいて愉快なナビゲートであったからこその読書体験だったと考えます。「今日はなんて良い酒の席にこれたのだろうッ!」……そんな感じの有意義さがあったのです。

 「この回顧録を読みながら俺の回顧録も再生されはじめた」という、1975年生まれのオジサン主観をまずは述べてしまいましたが、本書はどの世代の方にも楽しめるものだと考えます。なぜならば、機動戦士ガンダムのプラモデル(1980年〜)に端を発するリアルロボットブームの系譜は今、現代も絶えることなく様々な方面に波及しており、そのゼロ地点の様子をうかがい知る事は、新たな知覚を得れると言っても過言ではないです。その系譜はアニメ作品とその模型はもとより、実写やCGなどの映像作品、音楽やゲーム、そして来たる仮想現実の世界など、国内、海外問わず影響していると言えます。ゆえに是非とも本書を。と、推したいのです。

 回顧録に示される大きなテーマのひとつに、送り手と受け手、メーカーとユーザーとの真摯なコミニケーションがあったからこそ、時代が熱狂したという事実があります。「リアルロボットとはッ!? そもそもリアルとはッ!?」のコール&レスポンスから生み出された真実味(の共同幻想)が、’80sリアルロボットアニメプラスチックモデルブームの核にあったのではと想像します。

 リアルロボットとはッ!?という禅問答が具現化したのがリアルロボットプラモデル…… ってこと!? ならばそんな模型をつくって体験したいじゃないですか。当時の熱狂に思いを馳せながら、それを経ての今に考えを巡らしながら、送り手の思いなどを真摯に受けとめながら。という事で、無性にリアルロボットのプラモデルをつくりたくなって買ったのがこちらのキットです。

BANDAI
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 そう、回顧録でも紹介されている「リアルロボットレボリューション 戦闘メカ ザブングル 1/100 ウォーカーギャリア」です。1983年の発売予定が反故にされた事件から25年の時を経て、2008年に強い思いを込められ発売となった1/100 ウォーカーギャリア。文脈の塊のようなこのキットを、むしろ回顧録を読んでいる最中に購入手配をしてしまいました。何歳になってもデカい箱にはグッとくる。そして文脈ある白バックの箱絵。良い。

 キットの目玉のひとつ、付属のウォーカーギャリア メモリアルハンドブック。回顧録を読み終えた今となっては、キット本体と同等の高いバリューがあると言えます。回顧録を読んだ方には是非とも手にしてほしい。

 なぜならば、このハンドブックは回顧録の原点でもあり、補完する役割もあるからです。そう、前述したメーカーとユーザーとの真摯なコミニケーション、その送り手サイドの内情を回顧録著者がインタビューし、書き起こされているという、いわばスペシャルなのです。「子供だましではいけない」というバンダイ模型(当時)の中の人たちの真摯な姿勢が、ビシバシと伝わってきます。このハンドブックを手にしながらランナーをながめ、このキットにこめられた「本物らしさの追求」を感じ取るだけでも相当な満足度があると言えます。

 ハンドブックだけでも相当な満足度があるッ! と言えども、組み立てずにはいられないセクシーなパーツたちを続けて紹介します。こちらはギャリィホバー(上半身ユニット)の大型ローターユニットのパーツです。組み立て後も回ります。その大きさに、ギミックに、「リアル」を感じます。

 こちらはギャリィウィル(下半身ユニット)のパーツの一部。合成ゴムで成型されたタイヤとソールです。タイヤホイールの回転軸は金属なので、フリクションカー玩具のようにガシガシと遊べます。「タイヤはゴム製の方が『リアル』でしょ?」というメーカーの強い意志を感じます。良い。ただ、足の裏に装着されるソール(???)もゴム製なのですが、私には文脈が読み取れません……。 これもリアルだから? 興味深い。

(編注/本キットのアドバイザーを務めたあさのまさひこ曰く、「自動車でもバイクでも、硬い素材のタイヤを装着したメカのプラモを机の上に置いたときにプラスチックの”カチリ”というチープな音が鳴ると、その瞬間に『目の前の物体がプラスチックでできた紛い物である』という醒めた感覚に襲われてしまう」というのが接地面に対する軟質素材起用の理由だとのこと。)

 キットには同スケールの「レッグタイプ」という小型簡易ウォーカーマシンが付属します。これがなかなかのナイスフォルムであるうえ、人間が乗車しているので1/100キットの大きさを感じるには良い比較対象となります。ウォーカーギャリアの武装の巨大さたるやッ!ですよ。

 「リアルロボットレボリューション」のシリーズ名を略し、「R3のウォーカーギャリア」と通称される本キット、素組みであってもなかなかのボリュームがあり、ダイナミックな組み応えでした。それは『戦闘メカ ザブングル』のアニメ本編を彷彿とさせるダイナミックさがあるな。と、リアタイで視聴していたのを思い起こしながらの楽しい時間となりました。その当時、小学校に入ったばかりの自分は、本作品を欠かさず観ていた覚えがあります。荒れた大地に厳しい社会体制、そんな環境においても元気イッパイ生きているキャラクターたちが、子供が視聴するにはジャストだったのでしょう。富野監督作品としてめずらしく、敵も味方もめったに死なない世界観もあって……。

 このガイアノーツ製ザブングルカラー「ウォーカーグリーン」ですが、じつは半年以上前に買ったもの。MMのアニキを単色で塗って遊ぶべく、模型店のカラーコーナーを物色しているうちに手にとったものです。後々そのものズバリのキット自体を買うことになるとはつゆ知らず、「ウォーカーギャリア、好きだったよなー」くらいのノリでした。このキットは塗装も楽しむつもりで、塗料メーカーからの「ウォーカーギャリアの緑はコレだーッ!」に対してのコール&レスポンスをエンジョイしたいのです。自分なりの「リアルロボットとはッ!?」という思いを乗せて。

 2022年はリアルロボットに対する向き合い方……というか、知覚の深度が増した年始めであると言えます。この「モケイ遊び」の強度を高めるべく、ミリタリーミニチュアやカーモデルなど、リアルロボットに限らずドシドシ手にしていく考えです。あと、回顧録の「’80sリアルロボットアニメプラスチックモデルブーム」の話でネタにされていた1980年代前半のキットも手にいれて、本書とあわせて楽しみたいですね。

 それでは以上、今年も幅広くモケイを楽しんでいきましょうッ! エンジョイッ!

著:あさのまさひこ, 著:五十嵐浩司
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