固定&単色のプラスチックキットだから楽しめる秘技、ガンダムの3枚おろし!

 色分けバッチリ、関節可動抜かりなしのガンプラとは対極的なポジションで巷をざわつかせたバンダイキャンディ事業部の組み立てキット入り食玩、ガンダムアーティファクトの第二弾が発売されていたのをうっかり忘れ、慌てて手に入れましたるはそのなかのひとつ、フルアーマーガンダム。頭頂高で55mmというめちゃくちゃ小さな模型ですが、総パーツ数46という極小サイズの組み立て体験があなたを待っています。

 豆粒みたいなパーツを必死こいて切り出し、カチカチと組み合わせていくと思ってもみない分割ラインであっと驚く造形が出現するのがこのシリーズのめっちゃ楽しいところ。「ふたつに割れた太もも」「前後に分かれた胸板」みたいなガンプラでよく見るメソッドとは全く違う方法論で(小さくて単色だからこその)構成されたパーツたちは、「いったいこれから何が起きるんだ!?」というスペクタクルの連続です。

 一応接着剤を使わなくても組めるスナップフィット方式にはなっていますが、あまりにひとつひとつのパーツが小さいので無理に力をかけると折れたり割れたりしそうで怖い。そんな時は噛み合わせるピンやダボにちょっとだけプラモデル用の接着剤を塗ってみてください。ツルンと入って、完成後にパーツがポロッと落ちることがなくなります。この美味しそうな薄茶色も相まって、組むだけでめちゃめちゃ緻密な造形が手に入って嬉しい。

 このキット最大のカタルシスは胴体にあり!首〜股関節がドバーンとワンパーツになっていて、脚がハの字にバキッと固定される(=誰でも力強い立ち姿が確実に得られる)のも私は大好きなんですが、さてここに胴体の外装がどうやってくっつくのか、組み立てながら全然想像が付きません。普通ガンプラの胴体って前後に割るもんなぁ……。

 そう思って説明書を眺めていると、なんと肩〜腰サイドアーマーが横からバチコンとハマる設計。なるほど、胴体を縦に三枚おろしすることで横から見たときの彫刻を大事にしておるわけですな!このサイズ、この仕様でしか見たことのないウルトラ分割にメロメロです。ここを体感するためだけに買っていいですよホント。

 最後に胸〜腰の前側のパーツ(これも一体成形だ!)をバカンとくっつければガンダムになります。ビシッと決まったポーズ。そして少ないパーツ数でも密度の高い立体物が出来上がる設計。これが1/144スケールでも見られたらさぞかしおもしろいだろうな、と想像すると同時に、やはりパーツの肉厚とかを考えるとこのサイズだからこそ可能な工夫もあるんだよな〜と思うことしきり。

 1/35スケールの兵士と並ぶとこんなサイズ感。小さくてミチっとしていて、どこも間延びした感じを与えない深くてバキバキしたディテール。本来のフルアーマーガンダムとは違うアレンジのデザインも相まって、ここに色を乗せたらずいぶんと楽しそうです。さて、どんなふうに遊びましょうかね!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。