音楽とプラモデル。ブンブンサテライツ『OUT LOUD』feat. タミヤ『1/24 アルピーヌ ルノー A110 モンテカルロ ’71』

 ガンダムが好きだったり、戦闘機が好きだったり、プラモデルへの入り口って様々だと思いますが、私が初めてカーモデルを作ったキッカケは、音楽が好きだったからです。その音楽とは、ブンブンサテライツの1stフルアルバム『OUT LOUD』です。

 私が中学生だった20年ほど前、周囲で流行っていた音楽といえばポップパンクとか青春パンク、ちょっと知ってる子はピストルズとか、何故かパンクばかり。反抗期だった私は「体制的に反体制的な音楽なぞ聞いてるんじゃねぇ~」などとツケあがっていたので、アニソンと渋谷系とブンブンサテライツばかり聞いていたのでした。今思えば謎ですが。

 いわゆるビッグビート(というジャンルに便宜的に分類される)の本作。その魅力を一言で表すと「生音の反復・反響によって増幅された快楽」とでも言いましょうか。スタジオで収録されたトランペットやドラムの上質なサンプリング音源を執拗に切り貼りし、ディレイやリバーブを多重にかけたその楽曲群からは、気持ちいい音が遠くから無限に聴こえてくるような、暗いトンネルの向こうからヘッドライトを照らしたレーシングカーが爆音でこっちに向かってくるような、そんな疾走感とパワーを感じます。

 筆者的には特に、バキバキにリバーブのかかったリムショットが響き渡るドラムソロの5曲目『Intruder』~7曲目『Oneness』までの一連の流れが大好きです。ちなみに、9曲目の『On The Painted Desert』はPS2ソフト ナムコ『リッジレーサーV』のエンディング曲になっていますね。

 さて、そんなOUT LOUDのアルバムジャケットの写真に写っているのが、メカニックスーツを着たブンブンサテライツの2人と、アルピーヌ・ルノーA110です。2人が作り上げたこの美しくも激しい音楽を、レーシングカーとして速く・美しく作り上げられたA110になぞらえた、とてもいい写真です。

 これを見た中学生の時に、よ~し、プラモデルを作るぞ~とはなりませんでしたが、それから十数年、たまたまA110のプラモデルを見つけたときに「これはブンブンの……!」と、ピンと来まして、つい2年ほど前になんとなく製作してみたのでした。

 ところどころ失敗もしてるし、ジャケットのA110はツール・ド・フランス仕様で、プラモデルのモンテカルロ仕様とは多少異なるのですが、まぁ細かいことはいいでしょう。まるでサンプリング音源を切り貼りするように、デカールを切り貼りして初めて作ったカーモデルは、私の中で最高にカッコよかったのですから。OUT LOUDを聴きながら作った、アルピーヌ・ルノーA110、思い出のプラモデルとなりました。

ハイパーアジア
ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。