踊れ!! ミリタリーミニチュア!「人形改造の第一歩」を踏みだした男の話。

▲タミヤ1/35ミリタリーミニチュア。なかなか自立しないものもあって困っちゃうのよね。

 1/48のミニチュアのように台座があればいいんだけれど……そうだ、無ければ作ろう鎌倉幕府!

▲以前作ったアメリカ歩兵機関銃チームセットをもう一度作りたくなったのでまた買ってきました。
▲戦争という極限状態にある彼らは血気迫る豊かな表情。今回はその表情がよく見えるようにヘルメットを被らせずに作ってみたかったのでした。
▲ランナーにはまるまる武器が残る。いいか?これが平和だ。
▲武器が無ければ組立てはあっという間。踊ってる風に接着してみる。
▲これはストックしていた楽しい工作シリーズNo.3プラバン。厚み1.2mm、0.5mm、0.3mmの3種類のプラバンが少しずつ入っている。
▲ベースを作るのにカットしやすそうな0.5mmのプラバンをチョイス。

 普通に丸とか四角でベースを作っても面白くないな……私にいい考えがある。ミニチュアとプラバンを先に接着するのだ。

▲上からライトで照らすのだ。
▲影をマジックでなぞるのだ。
▲デザインナイフで切り出すのだ。
▲再接着なのだ。
▲黒サフを吹くと影のスタンドに!ちゃんと自立する!躍動感!
▲簡単に塗装もしてみよう。ここで私の大好きなシタデルドライの登場。うす紫色のルシウスライラックで全体的にドライブラシ。
▲今度は光の当たる方向を意識して明るいブルーグリーンのスキンクブルーでドライブラシ。
▲露出した頭をガイアカラーの蛍光ピンクで塗れば……
▲アメリカ兵ダンスチームの完成だ!!Let’s Groooooove!!
▲デヴィッド・ボウイ!!ヒップホップ・ボウイ!!
▲モンキーダンス!!ファンキーチキン!!
▲正座出来てない人!!ブレイクダンス!!
▲ゴーゴーダンス!?コンテンポラリーダンス!?
▲つい最近買った秘密道具、どっちもクリップにブラックライトを挟み込んで……
▲ターンテーブルを回しながら写真を撮って遊ぶのさ!!よくなくなくなくなくなくない!?
▲ダンスは精神の解放だ!!俺たち生きてる!!Stayin’ Alive!!いやっほぅぅぅう!!

 DJやバンドやったことのある人はわかると思うのですが、人を踊らせるのって最高に楽しいもんなんですよね。

▲私が世界一好きなアルバム、マーヴィンゲイのI WANT YOU。今回、このジャケットに着想を得てミニチュアを小改造、ダンスさせた次第です。

 ちょっと脱線しますが、マーヴィン・ゲイという人はスティーヴィー・ワンダーやジャクソン5が在籍したアメリカはモータウンレーベルのミュージシャン。弟のベトナム戦争帰還をきっかけに、戦争や差別問題などへのアンチテーゼとして71年、『What’s Going on』というソウルミュージックの歴史的名盤を発表します。断固反戦!というよりはある種の祈りのような、甘美(メロウ)な演奏が素晴らしいのですが、彼は後年この音楽性はそのままに、性愛について歌うことが多くなります。そしてこのセックス&メロウ路線が頂点に達して爆発するのが76年発表のこのアルバム、I WANT YOUです。

 音楽の技術や知識って模型には全然生かせないよな~としばらく思っていたのですが、どんな経験でもアウトプットのどこかしらに反映されるものだなという気づきが得られました。実際、私のやっていることは人マネの詰め合わせみたいなものですが、模型にしても音楽にしても別の人の作品による着想なしには新しいモノを作り出すことは出来ませんからね。

▲奇しくもアンクルサムの有名な入隊募集コピーと同じタイトル。アメリカ歩兵はダンサーのプラモデルとして生まれ変わりました。良かったね。

 現在でもプラモデルミニチュアは兵隊さんがメインストリームのようです。極限状態の中、必死で生きようとする人間には確かに魅力的な造形になりがち。しかし人が極限状態であるのは戦争だけでは無いハズ。格闘技や雪山登山などの過酷なスポーツ、激しいダンスなども精神と肉体を消耗し、命を削って輝く瞬間があるものだと思います。そういった人間の文化活動主体のプラモデルもたくさん販売されたらいいのにな〜と夢想しつつ、フィギュアを改造するのも中々楽しいことが判明いたしました。

 年に1回、タミヤの人形改造コンテストというものがあります。作品の数だけ違う考え方の人がいると思うとわくわくしてきます。私も人形改造コンテスト、今度はちゃんと作り込んで応募してみようかしら。これを作っていた時にひらめいたアイデアが何個かあるんですよ。こうしてモデラーは数珠つなぎ的にプラモを作り続けていくんでしょうかね。

ハイパーアジア
ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。オタクとプラモデルの関係性を哲学するのが趣味。noteではオタクによるオタクの為のプラモデル感想文を執筆中。