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あなたにもきっとある「プラモアナザースカイ」/異国の地で五式戦闘機が見せてくれた光景。

日本陸軍の戦闘機「隼」を2021年はたくさん組みました。そのせいか、日本陸軍の他の飛行機プラモも気になってしまい、時間を見つけてはパチパチと組んでいます。日本陸軍の戦闘機の中でも「五式戦闘機」は、私にとって一生忘れることのない光景をフラッシュバックさせてくれる飛行機です。

▲イギリスのロイヤルエアフォースミュージアム コスフォード館。私が取材の拠点にしていたロンドンのウェンブリーから鉄道で片道約2時間。膨大な数の航空機が収蔵されたその場所は、遠足のスポットにもなっています

英国のロイヤルエアフォースミュージアムのコスフォード館に、世界で唯一現存している「五式戦闘機」が翼を休めています。エンジンも稼働する状態までレストアされており、非常に丁寧な保存で当時の雰囲気を今に伝えています。この飛行機を見ていた時にたまたま小学生の遠足に出くわしました。

小学生たちは「スピットファイアだ!」と目を輝かせて同ホールのヒーローに向かって行きます。そして館内のスタッフや先生が「バトルオブブリテン」のお話を始めていました。この光景だけでも「本当にスピットファイアはヒーローであり、子供たちに受け継がれる大事なものなんだ……」と驚かされました。

このホールには英国と戦ったライバル国の飛行機が美しい状態で展示されています。戦勝国の子供たちの目にはどう映るのでしょう? でも小学生たちは飛行機のひとつひとつを真剣に見て、スタッフの説明を聞き、時には質問攻撃! 五式戦闘機や、コスフォードにだけある一〇〇式司令部偵察機も小学生たちの視線を集めていました。遠い英国の地で人々に戦争の歴史を伝えるという大切な役割の、ほんの少しでも担っている五式戦闘機の姿は僕の心を大きく動かし、今こうやってプラモで何か伝えることができないかと動いている原動力にもなっています。そしてきっとあなたにもプラモをもっと楽しみたい! ってなった体験が必ずあると思います。そんな体験を振り返ってみると、「今日もプラモ楽しむか」って心が動くと思います。

▲あの時見た外板のうねりのように、プラモのパーツもひけているけど、このまま作った方が絶対にかっこいいと僕は思っています

さまざまなプラモのモチーフはこの世の歴史や文化、ライフスタイルと関わっているものが本当に多く、プラモは「プラモを通して人生が豊かになる」という言葉がバシッとハマるものだと本気で思っています。「プラモが楽しくて発生した自分の好奇心」により踏み出した先に見える景色や感じたことで心が震えるということを、プラモが教えてくれる……プラモは本当に最高です。積みまくっても、組みまくっても、塗りまくっても……その全部が「プラモの楽しい」だと思っています。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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