小さくたって王者の風格/999円のプラモで味わうキングタイガー!

 初めて作った戦車模型はタミヤの1/35 キングタイガーでした。ユザワヤでジャケ買い。キットと塗料ひと揃え、筆を買ってもらってメチョメチョにしながら塗って「はて、完成というのはどこなんだろう……」とか、そのあと本で読みかじったいろんなテクニックを試す実験台になって、まああんまりかっこいい思い出ではないんだけど、あれがあったからいまのオレがいるんだな。

 そういうわけで、キングタイガーにもう一度挑む時というのはたぶん、「いまならアレを完璧に作れる!」と思える時なんだろうな……と勝手にイメージしていたんです。いつやねん。完璧はないだろうから、いつリベンジしてもいいよな。とかいいつつ、ちょっと特別すぎるのです。初恋の記憶って。

 だから、小さなプリクラとかで思い出すように、薄目でキングタイガーのカタチをもう一度指でなぞるのもいいかもしれない……って買ってきたのがモデルキット999。その名の通り、999円で買えるプラモです。安いし小さいから成功とか失敗とかあんまり考えずに、土曜に昼ビールでも飲みながらチョチョイと組んで「ほほう、キミはこんなカタチをしていたか!」なんて。無責任に親戚の子供と遊ぶような、そんな感じのキットですな。

 小さな砲塔はややディフォルメが強く効いている感じもしますが、鋳造表現とか溶接痕とかサイドにある予備キャタピラのラックもいっちょまえにくっついていて、難しいことを考えなくてもぱっとカタチになります。歯ごたえはあんまりないけど、フラッとプラモを楽しみたいときってこれくらい優しいのを味見するとずいぶんやる気が出ますよね。プラモのリハビリにプラモを作るという……。

 複雑な互い違いの転輪だってバリバリに一体成型。これ一枚ずつ貼ったな〜なんて中学時代のことを思い出しながら、いまではすっかり便利になった速乾の接着材をもりもり使って組んでいきます。

 コシの強すぎる履帯はTPEという素材でできていて、瞬間接着剤で輪っかになるよう貼ってから転輪の周りにぐるっと巻く仕様。分厚いし上側はビンビンに浮くし、こんなん実感も何もないなぁ……なんて一瞬思ったのですが、キングタイガーって上半分がスカートで隠れるんですよね。だから上半分は気にしなくてよし。

 ほら、あっという間に形になりましたし、キャタピラだってそれっぽく汚せばなんとかなりそうです。単三電池と比べるとかなり可愛らしい大きさなのもわかると思います。で、小さいパーツはまだくっつけてないんですけども、ちょっとやりたいことがあるので続きは明日。モデルキット999、本当に安いし戦車や飛行機がわりと選び放題。さらに供給が安定しているのでいつでも手に入るのが嬉しいですね。スナック感覚で組むもよし、お土産に持っていくのもよし。これをセンス良くサラっと塗るだけでも、プラモが完成したことには変わりないっすよ。そんじゃまた。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。