観光船に乗ったから、観光船のプラモデルを作る/フジミ 1/150 ヒミコ

 よもや富山で暮らしながらパナマ運河と共通した何かに触れられるとは思ってもみなかった。

 日本有数の豪雪地帯である富山。立山連峰が冬の間に蓄えた大量の雪を地下水にして少しずつ吐き出してくれるので、水資源に大変恵まれた場所だ。ここではかつて水運が盛んだったらしく、物流を支えた水路は観光船の周遊コースに形を変え、往時の活躍を今日に伝えている。その観光船が以前から気になっていたので先日乗ってきた。

 富山駅から徒歩圏内。「世界一美しいスタバ」がある場所として県民に親しまれている環水公園の一角を出発し、1時間ほどのクルーズ体験だ。ルートの途中にある「閘門(こうもん)」では川の中に個室を作り出し、その個室内に水を満たすことで、上流と下流で最大2.5mある水位差を調整し航行する。これはパナマ運河でも採用されており、「パナマ運河方式」と呼ばれているらしい。

 様々なうんちくを聴きながらクルーズ体験をしていたら、観光船に対する興味が膨らんできた。

 これは隅田川や東京湾を中心に運行される東京都観光汽船の水上バス「ヒミコ」だ。ヒミコをデザインしたのは松本零士先生ということで、宇宙船を思わせるような近未来的デザインが最高だ。HPには同じく松本零士先生がデザインを手掛けた「エメラルダス」、「ホタルナ」という姉妹船も掲載されており、この二種も最高に美しい……。

 フジミ製のプラモデルは箱を開けたら全体のシルエットがほとんど完成しているような状態。この他にもランナーは3枚入っているが、このキットの鬼門はロッドホルダーなんかの細々としたパーツの貼り付け。のりしろが小さいので貼り付けても首が据わらないような不安定感。どんな接着剤を使うのか選択が大切だ。

 そして美しく作るキモはとにかく窓のマスキングシートを上手く貼ることだろう。「曲面に貼ったマスキングテープは時間経過と共に端がめくれ上がってきてしまうため、マスキングと塗装は日を置かず同日中に行うこと」と以前何かで読んだ。それに倣い、朝起きてすぐマスキングしてその日のうちにスプレー塗装した。同じ日に塗装まで行ったのに一部マスキングテープの下に塗料が入り込んでしまっている場所を発見。Rのきつい場所はマスキングゾルに頼った方が良さそう。

 全体の作業量を数値化するとパーツ切り出しが5%、塗装が10%、船体の周囲にロープを結ぶロッドホルダーなどの細々としたパーツを貼り付けるのが35%、マスキングテープを貼り付けるのが50%といったところだ。

 バイクでもなければ自動車でもない。「日常」とは若干離れたところにある気取ったデザインの乗り物、観光船・水上バス。きっと日本中に僕が知らない格好いいデザインの観光船が溢れていると思うので、それらをプラモにして全国各地の観光地で販売してくれたら嬉しいのにな、などと思ったりした。

 そして実はこのキット、パッケージを正面から見ただけでは絶対に気づかない隠れたオマケがついていた。そちらについてはまた次回、紹介することしよう。

蒼人
蒼人

1989年生まれ。ゾイドとアメコミヒーロー映画が大好き。コロナ禍以前は毎週末映画館に行くのが楽しみでした。
ラジオっ子が高じてPodcastを始めました。