蛇の目の暴風がプラモになってやってきた!/イギリス空軍の暴れん坊、ホーカーテンペストMk.V。

▲後ろでメッサーシュミットが火を噴いてたりする強みを感じるパッケージ。

 「第二次大戦中のイギリス空軍戦闘機といえばスピットファイアとハリケーンとモスキート」。こう覚えておけばだいたい間違いじゃないんですが、大戦後半となればもう少し覚えていただきたい機種もあります(なんか偉そう)。それがハリケーンを設計したホーカー社が送り出したホーカータイフーンとホーカーテンペスト。

 タイフーンは戦闘機というより爆弾やロケット弾を満載した対地攻撃機としての活躍のほうが有名ですが、そのタイフーンの上位進化系であるテンペストは700km/hを超える高速性能を生かし、大戦末期のドイツ空軍を叩き潰すのに大いに貢献したんですねー。巨大なネイピアセイバーエンジンを冷やす為のラジエーターが空気抵抗のカタマリみたいな感じでドカンと機首に付いてるのに、これで700km/hを叩きだしちゃうんだからすごい。

 今回はそんなイギリス空軍最強戦闘機とも言われるテンペスト(暴風)をひとつかみしてみようと思います。

▲KPモデルらしいシンプル目な内容物。

 今回のテンペストMk.Vのキットを出したのはお馴染み模型大国、チェコのKPモデル。1/32や1/48のテンペストのキットはここ5~10年で海外メーカーから発売されましたが、完全新金型の1/72テンペストはとても久しぶりで蛇の目ファン(=イギリス空軍機に目がない人たち)は買いですよこれは!

 テンペストはエンジンを載せて替えたバリエーションもあるため、機首が別パーツになってたりしているのがランナー状態からも分かります。パネルラインの凹モールドも大変シャープで安心だね!注目なのはタイヤのディテール。ブロックパターンと呼ばれるトレッドパターンを上手く表現してあり、これだけでにこにこしながら一杯やれる感じ。1/72ならこれで十分じゃよ!

 ころで今回一番面白いのはデカール。3種類の塗装パターンを選べる仕様なのですが、デカールをよく見てみると左下に謎の菱型(長楕円?)が大量に印刷されておる。

▲これこれ。

 最初これに気付いてなかったんですが、ニヤニヤしながらパーツチェックやデカールチェックをしてる時に気付いちゃったんですよね菱型に。菱型の帯に。実はコレ、タイフーンの時に尾翼がモゲる事故が多発し、それを防止する為の補強板を再現したものなのです。テンペストは胴体はタイフーンとだいたい同じ設計でして、テンペストが量産された頃にはこのテの事故は起きなかったんですが、最初のほうの量産の機体にはまだつけられてみたい。

▲塗装図を見ると貼り付け指示もないけどしれっと描かれています。マジかよ

 パーツのディテール写真で同じ位置を見てみるとディテールは入ってないのが分かりますなー。まあ、補強板が付けられていない機体が大半なのでデカール処理ってのはむしろありがたいのかもね!

▲組み上がるとラジエーターの迫力も相まって力強さを感じます。

 コストを抑えるためにアルミ金型を使っているため、組み立てに関しては正直モデラー諸氏の実力に頼るところもありますな。とはいえ、仮組みしながら丁寧に組んでいけばテンペストの力強いスタイルが完成します。今回のレビューでは主脚がちょっと長いので切り詰めたりする工作はしたけどね!

▲機首や機体後部の太逞しさよ…

 イギリス軍の戦闘機といえばスピットファイアのイメージが強くて、スピットは華奢な感じがするけどこのテンペストなんかは非常にゴツゴツと大きくて迫力があります。並べたのは以前こちらの記事にもあげた同じKPモデルのシーファイアMk.I。同じ国の機体だけど、並べて見比べて違いを見てみるのもプラモデルならではの楽しみ方です。並べた模型をアテに今夜もお酒が旨いもんですな!ほんじゃまた!!

内藤あんも
内藤あんも

1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。