ガンダム・センチネルの総括は、ガンダム・センチネルにしかできないんだぜ。/MG2021年9月号が描く「暑い夏」。

 モデルグラフィックスという媒体で、ガンダムMk-Vの作例が見られるなんて……というのが正直な気持ち。貴方の風邪はドコから?と訊かれれば、私のリアル等身ガンダムにおける原点が(幸か不幸か)『別冊ガンダム・センチネル』だったから。

 ヒヨコが初めて動くものを見たときにそれを親だと思いこむように、「リアルなガンダム」というのはガンダム・センチネル……という刷り込みがあるし、なにしろいま「別セン」を読んだって、まだまだ新しく気づくことがあるというのはやっぱり凄いことなんですよ。読んだことない?いますぐ読もう?

▲青いのも
▲白いのも

 ……てなワケで、『月刊モデルグラフィックス』最新号はガンダムMk-Vを中心に構成された「マスターグレードのセンチネルMSたち」という巻頭特集です。どこをどう作ると……とか、当時の作例が……という色はかなり薄めで、むしろ「現時点におけるガンダム・センチネル登場MSの製品化の意義」にスポットライトが当てられている印象。新しい作品がスタートするたびに置いてけぼりにされた悲しきMSたちを例に取りつつ、成熟したマスターグレードシリーズがセンチネル関連アイテムをどこで登板させ、どんな役割を負わせているのかが考察されています。

 プレミアムバンダイというオンラインショップ限定のアイテムをフィーチャーすることに賛否ある印象ではございますが、「好きなら当然予約して買ったでしょ?」というのも現在のガンプラに対する当然のアティチュードであるはず。そして、好きならば絶対に読んでおかないとマズいのが、「原典」たるモデルグラフィックスとその別冊だし、(編集している人が入れ替わってはいても)やっぱり本家本元がセンチネルに向き合うというのは特別なことだなぁと思うわけです。

 いまやガンプラにおける年に一度のお祭りとなったガンダム・センチネル関連アイテムの登場ではありますが、現在の目で見るとかなりアニキな(もうオリジナルのキットは20年前のものですよ!)MGゼータプラスを徹底的にブラッシュアップした作例も眼福。「言われてみればそうだよな〜」という80年代後半のキット化事情と照らし合わせても、こうして1/100のハイデフなセンチネルMSたちの競演というのは胸に迫るものがあります。

 モノクロページで触れられた完全新規開発のセンチネル関連MSについての振り返りを踏まえて登場する「素のSガンダム」もまた、「そう来たかぁ」(そして「マジでいい時代になったなぁ〜」)と思える仕上がり。タミヤの戦車模型やハセガワの飛行機模型がリニューアルし、模型的な円熟と幅広い層へのアピールに寄与しているのと同じように、ガンダムじたいも巨大なコンテンツとして「いま活発に動いている部分」と「過去の熱量をいまに蘇らせるもの」がうまく折り重なって螺旋を描くように進展してきたんだよなぁ、と感じ入ります。

 昭和末期に胸を焦がした世代も、スパロボやGジェネでハマった世代も、EXVSから知ったヤングたちも。「ガンダム・センチネルとはなんだったのか?」「いま、これらのキットが発売されることでガンプラの世界にどんなエフェクトがあるのか?」というのを、ぜひモデグラ最新号を読むことで知ってもらいたい。これが、センチネルからガンプラにズドーンとハマってしまった(そして長らく身動きの取れなかった)私の切なる願いなのであります。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。