ちょっと遠目に見るときの、気になるあの子/プラモの女子なら50cmでフォーリン・ラヴ。

 はいそこのサムネイルをクリックしたキミ!写真を見て「なんかべっぴんさんがいるな」と思ったでしょ。金色のおじさんがいたのも奥にフェアレディZが停まっていたことも忘れているはずだ。そんなわけないか。でも、フィギュアというのはプラモをちょこちょこ置いたときにものすごいアイキャッチになるんだ。どうってことない模型の横に、人の形をしたものがあるとどうしてもそこに目が行ってしまう。模型の注目度は3倍増しというわけだ。

 ハセガワの1/24スケールフィギュア最新作、50’sアメリカンガールズはかなりかわいい。目元もくっきりしてるし、なにしろレースクイーンとか戦争してる人とかじゃなくて、なんか普通の佇まいの普通のガールズだ。「1/24だと同じスケールのものにしか合わせられないじゃん」とか言わないで買ってみよう。スケールなんて遠近法でどうとでも見える。写真に撮ってTwitterにUPするならなおさらだ。

 ロボットでも飛行機でも戦車でもいいから、横にチョンと置いてみる。なんだか場が華やぐ。フィギュアの持っている機能というのはそういうもんなのだ。

 めちゃくちゃキレイに組み立てようとするとちょっとむずかしい。ローラースケートみたいに見える靴の湯溜まりやスカートの合わせ目に来るゲートをキレイに切除して、慎重に接着剤で位置合わせをしながら組み立ててみよう。塗るのがちょっと怖いな、というときは組むだけでもいい。塗りたければ海外のミニチュア塗装用の水性塗料やタミヤエナメルを使って筆でじっくりと塗る。ラッカー塗料だと隣り合った色が混ざってどんどん濁っていってしまうので、乾いたら下地を侵さなくなる塗料のほうが安心だよ。

 目のデカールが入っているけど、たぶんこれを貼るのはかなり難しい。せっかくだから女の子のメイクを参考に面相筆で描いてみよう。ヘッドルーペと明るい照明があれば、目を大きめに描いてから周りを少しずつ肌色でタッチアップしていくと案外どうにかなる。「こんなバケモンみたいな顔で大丈夫か!?」と不安になったら50cm離れてみよう。だいたいかわいい。50cm離れてダメなら、もうちょっと頑張って!(自身がない人に忠告!まちがってもスマホで接写なんかしないこと!おそらく一生納得行かないぞ。)

 そうそう、上のデカールの白い斑点はスカートを水玉模様にするためのもの。マークフィット(デカールを軟化させるケミカル)を使えば案外貼れる。案外塗れるし、案外貼れる。やれば案外できる。できるようになったらやろう……よりも、やってみて「できた!」「もうちょい!」「もう一回!」というのを自分で体感するのが超大事。

 ふだんのオレなら銀色に塗って「メタルアネキ!」みたいなことをやりそうなもんだけど、せっかく可愛い造形なのでどうしても塗ってみたくなった。1/24の顔にメイクを施していくのは初めて。とはいえ、やってみればなんだかそれなりに見られる女子が生まれた。うれしいね。あれこれいじってるうちに好きなタイプの顔になってしまうのがどことなく嬉し恥ずかしい。それにしても「やってみれば案外どうにかなる趣味」って、あんまりないぞ。

 そりゃね、オレが塗った子もアップで見たら、やっぱり厳しい。人間は人間を見慣れているから、少しでも違和感があるとどうしても「うっ」という気持ちになってしまう。でもどうだろう。少し離れたクルマの向こうに、スッと佇む女の子がいる。そんな距離感が1/24だと50cmだ。12mくらい離れた女の子が、ぱっと見かわいい。そんなことって、よくあるでしょう?

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。