小粒なのにかなり辛い!見た目で選んだタミヤのIII号L型戦車はMGゲルググキャノンと同い年でした。

 「あ〜、何の変哲もない戦車を組みてえ〜!」という欲求が人間にはある。あると言ったらあるんだ。信じてくれ。めちゃくちゃ強いとかめちゃくちゃカッコいいとかじゃなくて、少し強そうで強くない、でもなんか戦車らしさを最低限備えていてほしいわけよ。

 で、模型屋さんで棚を見てると案外タミヤMMのことって全部知ってるようで知らん。耳年増ってやつで、あれはこういうキットだ、これはいつリニューアルした決定版だ、それは昔からあるスタンダードでエヴァーグリーンな一作だ……とかとか。知識ばっかで組んだことないやつが案外ある。オレだってまあそれなりにプラモ組んできたつもりではいるが、「何の変哲もないヤツ」となると買うのを後回しにしがちじゃありませんこと?

 完全に見た目で選んだドイツのIII号L型。ガルパンにも出てこないしエースが乗ってたとか凄い戦績があるみたいなのも聞いたことがない。で、まずなにが最高って説明書の機体解説の下に「L」ってデカく書いてある。ただのIII号戦車じゃねえぞ!装甲めっちゃ強化してあるしIV号がいてもオレならまだやれる!やらせてください!という戦車なのでこれはもう何の変哲もないとかじゃなくてIII号戦車の最終形態に近いやつじゃん。なんかスペースドアーマーを標準装備してますとか書いてあるし、すごく強そう。人は見た目で判断しちゃいけませんね。

 オレがIII号戦車を選んだ理由はふたつ。まず転輪が少ない。サスペンションもシンプル。戦車のプラモは9割転輪組んでるようなもんでしょ。ちまちまと同じ形のホイールを貼って整えて車体にくっつけて……ああこれが少なければ最高だよねということであります。III号戦車は転輪が12個なのに対してIV号戦車は16個ある。この差はデカイぜ……。

 そしてキャタピラ(履帯)が軟質素材の一体成型。ぐるっと巻いてバーンと付ければ子供が見ても女子高生が見ても戦車だ。しかも車体が黄土色で履帯が黒だから2色になってうれしい。リアルかそうじゃないか、じゃないんだ。オレはいまなんの変哲もない戦車をサパーっと組んで、「ウッヒョオオオオ」って言いたいのよ。

 ……すみません、III号L型ナメてました。パーツがめっちゃ多いように感じる。このキット、1997年生まれなんすね。マスターグレードのゲルググキャノンが発売された年ですから、まあまあ緻密な表現が求められていたんだろうなぁという感じ。この「うおー、パーツ多いな!?」という感じと「サクサク組めて楽ちん〜」という感じの分水嶺がどのへんにあるのかめっちゃ気になってきました。

 できた。これを戦車模型初めて組むという人におすすめするのはちょっと気が引けるというのが正直なところですが、箱絵どおりのこんもりしていてメカニカルなIII号戦車が初めて自分のものになったというのがちょっとうれしい。しかし実売2300円でこのプレイバリューってけっこうすごいな……。さて、ここから説明書が言うとおりに塗ってみようじゃありませんか。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。