花金だ!仕事帰りに買うプラモ。体重&体幹が樹脂化されたアニキたちのニューワールド開幕!!!「タミヤ IV号戦車G型」

 タミヤMMの最新作である「ドイツⅣ号戦車G型 初期生産車」。断言しますが、このプラモデルの主役は付属のフィギュアです。もう圧倒的。将来「Ⅳ号G型以前/以後」みたいな言われ方をするんじゃないかという、エポックメイキングな内容です。乗るなら今。マジで。

 古来から「フィギュアと戦車をいかにフィッティングさせるか」はAFVモデラーを悩ませてきた問題です。例えば「椅子に座っている人」にしても、お尻や背中の形は座面によって変化しますし、服のシワや体重のかかり方も立っている時とは全然違います。それらが全部椅子と噛み合っているから成り立つ形に変化しているわけで、一箇所でもズレや狂いがあると違和感が発生。「まあ、模型なんでこんなもんで許してください」ということになってしまいます。これを解決するためには市販のフィギュアを改造する必要があり、しかも「実物を見たことないような車両に乗ることで、実物を見たことがないような服を着た人間がどう変化するか」を考えなくてはなりません。

ぱっと見「あ~、いつものタミヤのフィギュアのランナーね」って思うじゃないですか

 これは本当にどうやっても解決が難しい難問だったんですが、今回のⅣ号G型でタミヤは現状出せる最高クラスの回答を叩き出してきました。フィギュアは全員で5人ということで、ランナーはちょっと大きめ。一見すると、「あ、最近のタミヤのフィギュアのランナーだね」という感じになっております。

▲う~ん、デジタルの恩恵~!

▲アフリカ軍団名物、トロピカルヘルメットもついてます
▲この略帽のくたびれ具合よ
▲ずらした状態で最初から頭にヘッドホンがついてるのも、イマドキっぽい
▲接着はバチピタ。吸い付くように部品がくっつきます
▲装備品も位置指定済み。見事なフィット感
▲というわけで全員完成しました

 なんせ3Dモデリングなんでシワの寄り具合や軍帽のくたびれ具合はなるほど生々しい。しかしそれくらいなら、最近のキットって全部そんな感じじゃんね~と思うかもしれません。いつものように部品の噛み合わせはトリッキーながらバチピタ。くっつけたら隙間なんかちっとも見えなくなります。そして、問題はここから。組み立てたフィギュアを戦車に乗せてみると……。

この体重の傾き具合!
この体をひねる角度!
その位置で体を出したらそりゃハッチを持つなという自然さ!

 おわかりいただけましたでしょうか。そうなんですよ、「人が戦車に乗っている」んですよ……。どのフィギュアも体重の乗り方が自然すぎて引く。キューポラのハッチに右肘をのせ、左腕は逆側のハッチに突っ張っている戦車長の自然な体幹の傾き具合。車体側面のハッチにハコ乗りしているという不安定な姿勢を支えるため、車体の上に置いた手の位置と体のひねり具合の絶妙さ。どのフィギュアも、「体重のある人間がこういう形のものに乗ったらどういう姿勢になるか」を徹底的に再現したポージングになっております。

こんだけ深い溝が入っていないと車体とフィギュアがかみ合った感じにならんのだ
このシワの自然さよ

 またアフリカ軍団の衣服はサイズ的に余裕のあるダボッとしたものなため、それが重力で流れて車体に乗っかることになります。例えば砲塔側面のハッチから身を乗り出しているフィギュアのお尻の部分のシワのより具合なんかは、車体と制服が見事にフィットしていることがわかるでしょうか。自分で改造してここまでフィットさせようと思うと、これはもう大変な難事業。それが箱から出してバシバシ部品をくっつけただけでこの水準で完成する。とんでもないキットです。

▲全員乗せた時のまとまり感! すごい……

 更に言えば、5人全員が揃った時の絵面の見事さも素晴らしい。複数人が絡むジオラマを一回でも作ったことがある人はご存知だと思うんですが、とにかくフィギュアの目線の方向を自然に合わせるのって大変です。しかも自然でかっこいいポーズをとらせつつそれをやろうと思うと、頭がどうにかなりそうになるはず。それがもう、組んだだけでビシ~ッと完成しているわけです。この5人が車体の上に並んだ時の目線の揃い方、そしてそこから読み取れる、前方に対する緊張感! フィギュアを乗せた時のシルエットが後方に行くほど高くなっていて、抜群に安定感があるのもすごい。

 というわけでこの5人についてはいくら褒めても褒め足りないくらいすごいんですが、キリがないのでこれくらいにしておきます。とにかく各フィギュアの演技とディテールの精度、そしてそれらが組み合わさった時の絵面の良さ。それをこの水準でクリアしているキットは他にありません。とにかく新鮮なうちに味わうのが吉なので、今すぐいっちゃってください!

しげる
しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。