最新のSDガンダムだからこそ、刃物をじょうずに使って「美しすぎるプラスチック」を讃えたい!

 ふらりと寄った模型屋さんで、ふらりとSDガンダムを買いました。20数年ぶりに。箱を開けると小学生の頃、武者頑駄無で遊んだいろんな記憶が蘇ります。こんなマンガがついててワクワクしたんだよなーとか。メッキパーツがキラキラしてカッコよかったんだよなーとか。家族旅行の時、車中で組み立ててたらすげー酔ったなーとか。

 買ったのは「天覇曹操ウイングガンダム」。パッケージデザインがあまりにもトゲトゲしてカッコよかったのでね。いやしかし曹操というキャラクターに、さらにウイングガンダムを憑依させちゃうなんて発想がぶっ飛んでて最高。そして大人になった私の心までをも、一気に少年時代までぶっ飛ばしてくれるのでした。

 過剰なほどのラインの多さ。ありとあらゆる力強い角度でデザインされたウイング。さらにその中に稲妻のような、太い凹凸のラインが入る。形状だけでここまで派手に見せることが出来るのか。そしてきっと、このラインをなぞるようにしてマジックで色をつけて楽しむキッズも今はいるのだろうな。どうかな。

▲なんと言っても一番に目を惹くのは、複雑な面構成のクリアパーツ。

 角度の違う面ごとに濃淡が違って見えるクリアブルー。さらに、透過して重なった面と面は、より色の深いブルーに見える。とても幻想的。美しすぎる○○じゃないけど、これは本当に「美しすぎるプラスチック」だ。

▲そして、手で外せるパーツに衝撃を受けるおじさん……!まことに!?

 パーツをひねるようにすれば、ランナーから簡単にもげます。なんとおおぉ……!ランナーとパーツを繋ぐ境目の「ゲート」が極端に細くなっているからこんなことが可能なんですね。しかし、ニッパー不要で楽チンとかどうのこうのより、「バリが小さくて綺麗にパーツが切り離せる」ということが純粋に素晴らしい。

 手でもぎるのでバリは必ず出るんですが、デザインナイフでナメるだけでかなり目立たなくなる。バリが小さいので力がいらず、プラを必要以上に抉ったりするミスが減るので簡単。

 私なんかは子供のころから「プラモデルはニッパーで切り離すもの」という認識がありました。しかしこれ、そのアクションを1個すっ飛ばして「プラモデルはデザインナイフでキレイに成形するもの」という基本概念へ置き換える可能性をも秘めているのではないでしょうか。

 これを手でもぎって終わらせたら勿体ないですよ、カテジナさん!生活における(正しい使用用途の)刃物の有益性は語るまでもありません。プラモデルをきっかけに様々な種類の刃物、道具に触れる子供たちが増えれば、世界が豊かになると言ったら言い過ぎかもしれませんが、私は良いことだと思いますよ。

▲ディティールの洪水だわ。

 グレーと黒をベースに、イエローとブルーでド派手に装飾、さらに差し色のレッドで引き締める、見事なカラーバランス。私が子供の頃に作った、カラーメッキがビカビカのSDガンダムとはまた違った味わいがあってステキ。

 これはいいものだ。令和の模型キッズに幸あれ。そしてデザインナイフを持ち、いろんな道具に触れて、過去の大人達よりもっとカッコいい模型を作ってくれ。

ハイパーアジア
ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。