

僕たちは知らず知らずのうちに自分の大好きなものとダブらせてモノを見ていると思います。僕がスケールモデルを始めたばかりの時もよく「ガンダムで言うとこれは何のモビルスーツにあたるんすか?」と先輩や知人に聞いてました。自分のフィールドに取り込んで、何かを一旦整理することで、「初めて知った戦車や飛行機」との距離を縮めることができました。

戦車においてはアメリカのM4シャーマンがまさにそれで、ドイツ戦車の剛健さとはなんか違う魅力に最初は全く興味が持てませんでした。そしてすんごいバリエーションがあるし、似た様な姿をした違う戦車や車両までいる……どう見て良いかわからなかったんです。「工場が違う?」「作られた時期?」「鋳造車体に、イージエイトにファイアフライ?」……助けて。そしてタミヤのキットを作りながら説明書の解説を読んでいると「足元が異なる」という項目を見ました。「へ〜〜、ジーパンみたいじゃん」。ピロリン! つながりました。僕の中で。シャーマンが僕の好きなリーバイス501に見えてきたんです。どっちもアメリカ生まれだしね!



セルビッチデニムと言われるものに見られる折り返すと赤い糸で縫われているあの「赤耳」。旧式力織機で織られた生地にあるもので、生産性を工場させた新式の織機にはこの「耳」の部分がありません。デニムを裏返すとこんな感じで違いが見えて、濃紺のデニムのアクセントにもなってかっこいいので人気です。501でもセルビッチのものとそうじゃないものがあります。これを僕はシャーマンの足元に置き換えて見ていました。

M4A1、M4A3E8、M4初期型……など様々なバリエーションは、501に置き換えるとまさにこのポケットのレットタブ。「E」がでかいビッグEと「e」が小さいスモールe、さらに「®️」とだけの表記、ビッグEの両面タブ、両面タブ均等Vなど様々。特に1970年代前半以前はいろんな表記が入り乱れ。


リーバイス501は全てがアメリカ産ではありません。メキシコ、中国、日本、エジプト、ヨーロッパと様々な場所の工場で生産されてきました。生産地域によって形状や生地、糸の色も違うのがこのデニムの面白いところ。オリジナルとして渡った501がその国のトレンドや原材料の質の違いで異なったものになる。またヨーロッパデザインチームによってうまれた「リーバイス レッド」というものもあります。それなんてまさにシャーマンファイアフライですよね!
こんな感じで自分の中にある好きなものって模型の見方にあなただけの見え方を送り出してくれると思います。好きなスポーツ、好きな本、好きなアイドル、好きな音楽やミュージシャン。そしてあなたの好きな模型。好きなものがそれぞれふわふわしている状態から模型と繋がると、あなただけの価値観が生まれもっとあなたの好きなものが楽しくなると思います。あなただけの見え方、必ずありますよ。
