
『南部せんべい』っきゃ、まんずめはんで、くっでみでけろじゃー!!(南部せんべいはとても美味しいので是非食べてください。本当です:津軽弁)
小麦粉と塩を水で練って南部鉄器製の焼き型でギュッと挟んで堅く焼いた『南部せんべい』は青森県民や岩手県民にとってお馴染みの味。黒胡麻や落花生を基本として、リンゴやイカを生地に練り込んだりとバリエーションも豊富になりました。昔ながらのご当地お煎餅です。

初めて”飛行機のプラモ”が作りたくなり、どれにしようかな〜とインターネットの大空を飛び回って辿り着いた『ハセガワ 1/72 F-15C イーグル』 は僕が生まれる前の1970年代! に発売された古いキットだそうで、消耗した金型のせいか”バリ”が至る所にありました。そう、これをみた時に脳内で稲妻が!「南部せんべいの耳じゃん……」。
バリが無い(少ない)キットの方が何かと都合は良いはずなのですが、長い間定番商品として沢山のエアモデルファンや子供達に愛され続けてきた”証”に僕も出会えたような気がしてとても嬉しくなりました。そして僕の故郷の味でもあり大好きな南部せんべいを思い浮かべるとこのバリもなんだか愛おしいもの感じてきました。

もう一つこのプラモの”歴史”を感じさせてくれるのが、パネルラインの凸モールドです。沢山の人が触れてきたのだなと何度も指でなぞっていると、県外の人が『南部せんべい』を初めて食べたのに「懐かしい味だ」。と言ってしまうのと同じように初めて見た凸モールドに懐かしさを感じてしまいました。

組み終わったF-15Cを眺めながら南部せんべいをかじっていると「えー。またお煎餅? ……ポテチとかチョコレートが良かったのに」。と大好きなお婆ちゃんに悪態をついた日の事を思い出しました。
わがままばかり言って困らせちゃったけど、「長年皆に愛される昔ながらの味にありがたみを感じる位には俺も大人になったよ。お婆ちゃんはそっちで元気にやってるかい?」。そう仏壇で微笑むお婆ちゃんに手を合わせたら…… さて、次は何を作ろうかな? まだまだ楽しい出会いがプラモの数だけ待っていると思うとワクワクします。それでは、またの機会にお会いしましょう。バイバイ!