

2021年に鈴鹿にF1が帰ってくる……! この発表は本当に感慨深いものがありました。F1にはまだ夢がある。ということでまだまだ模型店の棚にあるスゴイF1キットを見ていきましょう。

エブロ製1/20ロータス88です。これはF1のマシンですが、本戦決勝を走らなかった”尖りすぎたクルマ”です。最近ホンダがRA099という幻のクルマを展示し話題になりましたが、走らなかったクルマはいつも伝説のマシンになるのです。


こちらは2015年の日本グランプリでデモランを果たした姿です。コクピットがやたら前なのと、車体が四角くて低いこと、得も言われぬオーラを感じてしまいます。運転しているのも佐藤琢磨選手ですね。

コクピットはカーボンファイバーコンポジット製になっています。MP4/2のときに「マクラーレンMP4/1が最初」と書きましたが、このロータス88も同年に採用しています。しかしタッチの差で負け、さらに本戦出走もかなわなかったのでマクラーレンがさらっていってしまいました。

断面を見てみるとひっくり返した翼のようになっているので、ウイングカーとも呼ばれています。翼のようにすぼまりながらシュッとしていますよね。

ロータス88もそうですが、このころのF1マシンは車体を頭から尻尾までウイング形状にして、地面に車輌を押し付ける力を求めました。とはいえ、このころになると逆にやりすぎによって悪い作用やドライバーに対する不利益をもたらすようになっていました。

そのためにロータスでは、ガワと中身を分離して、足周りに「ふたつの車体」をくっつけるという解決方法を用意。写真の部分以外がもうひとつのシャシーに分類されます。車体は車体で別のバネに取り付けて、ハコ部分はしっかり地面に押し付けつつ、コクピットはしっかりサスペンションするようにしました。

実車の部分を見てみましょう。この足周りの、黒い部分はコクピット部分を支えるためのもので、銀色の部分がハコを支える部分です。だからタイヤを受けるアップライトからふたつの車体を支える構造なんです。私も理屈ではわかっているんですけど、実際どうなってるワケ? というのが本当のところだったんです。でも、模型を組むことでより理解! これが模型のすごいところです。


いつその核心に触れるのかワクワクしながら、ロータス88を組んでいきます。内装やエンジンの再現も本当に素晴らしいですね。こんな前にドライバーが入って、敢然レースを行く。

そして外装を合わせようというときに、ついに4つのバネがタイヤを受けるアップライトに合体します。あ、本当に別々の車体を合体しているんだ! という感動と、実車を見ても、資料を読んでもおぼろげだったツイン・シャシーの秘密が理解できたんです!

かつて私がF1黄金期の記憶しかなく、F1の世界にふたたび浸かりはじめたころ。先輩に「F1のテクノロジー系統が好きなら、きっとロータスが好きになるよ」と言われたことがあります。調べるとロータスがいくつもF1に革命を起こしたことがわかってきて、このロータス88も革命的な存在だったのもわかりました。そしてエブロのF1シリーズには、こうしたロータスの革命児たちがいくつも立体化されているのです。あなたもきっと、エブロのロータスでF1の好きなところが増えると思いますよ。