アンダーゲートと仲直りした日。ハセガワ 1/72 「クラッシャージョウ」ハーピィ

ハセガワ 1/72 「クラッシャージョウ」ハーピィのプラモデルのランナー

 ハコを開けて、わあキレイだ!と思えるプラモ。成型色(=プラスチックの色)がいくつもあって、そのままサクサクと組めば説明書の完成見本に近い完成品ができそう……と思ってパーツを切り始めると、ほとんどのパーツがいわゆるアンダーゲートになっています。

ハーピィのプラモデルのアンダーゲート
▲アンダーゲート。よく見ると切り離す部分がパーツの裏側にへばりつくように作られています

 アンダーゲートというのは俗称で、本職の金型屋さんの間ではジャンプゲートとかオーバーラップゲートと呼ばれるこの製法。パーツの裏面にゲート(パーツを切り離すために細くなっている部分)が設けられているため、パーツ表面にニッパーの跡が残らないのです。

 が、ニッパーでパーツの裏側をいきなり削ぎ落とすように切ることができないので、少し離れた場所でカットしてからパーツの裏面にニッパーを当てて残ったゲート部分を切るという手間がかかります。メッキされたキットなどは、メッキ面を復元することが出来ないので切断面がパーツの裏に隠れるようアンダーゲートが多用されているのを目にしたことがあるかもしれません。

ハーピィのプラモデルのサイドゲート
▲こちらはサイドゲート(プラモデルでもっとも一般的なゲート形状)

 サイドゲート(パーツの側面にゲートがくっついているもの。切断面が残るのでヤスリで整えるか跡を見なかったことにする)のパーツもあるのですが、こちらは組み立てた後にカット跡が隠れて見えなくなるところに限定されています。

 つまり、「ゲートは2種類あるけど、キレイにパーツを切り離していけばパーツ表面にニッパーの跡が残らないよ」という親切。逆に言うと「ちゃんとゲートが処理されていないとパーツ同士がビシッと合ってくれない」「すべてのゲートを2回に分けて慎重に切る必要がある(単純にパーツカットの作業量が倍近くなる)」というデメリットがあります。

 上記の理由から「なんだかなぁ。色付きのプラモだからサクッと組みたいなぁ」という気持ちと「プラスチックに色が付いてるのにわざわざ塗るの、面倒だなぁ」という気持ちのダブルパンチでちょっとしょんぼりしていたのですが、逆に考えることにしました。「ランナーのまま全部塗って組んでも、ある程度組んでから塗っても、ニッパーの跡が見えないってことじゃん」と。

コアフレームと各ユニット
▲この辺は組み立てたほうがキレイに組み上がりそうなのでユニットごとに仕分け。

 せっかくのプラモデル。ババっと組んで色とカタチを楽しむのもいいですが、自分の思う色で仕上げると満足感も倍増。とは言えこのハーピィのカタチにバッチリ似合うカラーリングがなかなか思いつきません。こういうときは金属色ですよ、金属色。

アウトラインが特徴的な船首ユニット
▲艶めかしい太もも〜ふくらはぎのようなアウトラインにハッとさせられます。

 部位ごとにシルバー、ゴールド、青や黄色に振ったシルバー、ガンメタリックなど、原作のカラーリングを踏襲しながら好きに金属色を調合し、キレイに吹き付けていきます。こまかいパーツはランナーに付いたままでもOK。塗料が乾燥したらニッパーでそーっと切り離し、パチリパチリと組み立てていきます(スナップフィットモデルはこういうときに嬉しいですね!)。

金属色のおかげでその複雑な面構成が際立っているように見える
アンダーゲートをうまく利用すると、ここまでできる

 完成したハーピィを眺めると、金属色のおかげでその複雑な面構成が際立っているように感じます。サクサクと塗って組み上げられたのはアンダーゲートのおかげ。いざ全体を塗装しようとすると塗って組んで……を行ったり来たりことが多いプラモデルですが、アンダーゲートであればパーツごとに好きな色で塗って、最後にキレイにゲートを処理してあげればあとからタッチアップ(ニッパーの跡を塗り直すこと)も必要ありません。

 設定どおりに塗るときにも、自分なりのカラーリングで仕上げるときにも「せっかくアンダーゲートなんだから、それに頼っちゃおうかな!」と甘えてみると、完成品の数がグッと増えるかもしれません。アンダーゲートのいいところを見直す素敵な日になりました。そんじゃまた。

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。