無限から可能性をひと掴み。「かわいい」を生み出すプラモのメイクアップ。

 「好きにして良い」と言われても、好きにできないタイプ。私。

 初めてのバイト先、初対面のあなた、向こうの思考が読めずに椅子に座って所在なさげ。というか、椅子にも「座って良いよ」と言われなきゃ座れない。うーむ。参った。

 そんな無限の選択肢を渡されて困るのは当然だそうです。「最近いい事あった?」では答えに窮するけど「24時間以内にいい事あった?」と聞かれるとある程度答えが返ってくる。生粋のアイデアマンは私に教えてくれました「具体的に問え」と。

 というわけで、ミリタリーキューティーズ バーニーのメイクアップエディションの登場です。この方はブリティッシュガールということで、つまりイギリスの女の子。どう塗っても良いけど、どう塗ればいいか分からん!となりかけますが、出自をベースに具体的に問うと、我が家には英国郵便局仕様のミニカーがあったのでそれに沿って色を塗っていくことにしました。

 とりあえず郵便の赤。「郵便 制服」なんて調べると、律儀にもネイビーの素晴らしい制服も出てきますのでそれもあり。とはいうものの、私の中の郵便の色は赤です。部屋にあるミニカーも赤だし。

 ジャンパースカートを赤く塗ろうと想像すると、かわいいバーニーの横に割り込むちびまる子。シャツを赤く塗ろうとすればスーパーマリオ。赤の具体的なイメージがバシバシと飛び込んできます。それでも、赤い郵便服を着た女の子が欲しい。なので赤に塗りました。

 シャツの色は、ポストガールということで若干使い古されたくすんだ水色。作業着特有のグレー気味のトーンはタミヤアクリルの艶消しの出番です。お店でフラットレッドの瓶と並べて、相性が良さそうな色を探しました。

 塗ってみて驚くのは、ミリタリーキューティーズと塗装の抜群な相性。豊かな曲面とメリハリのあるディテールが織りなす陰影に塗料が勝手に流れ、溜まり、満足のいく仕上がり。

 私のバーニーは”ブリティッシュポストガール”バーニーにジョブチェンジ。ミニカーとの相性は抜群。

 これは服好きならではの感覚かもしれませんが、塗れば生地が見えてきます。ジャンパースカートはがっしりとした厚手のコットンダック。シャツはオックスフォードかシャンブレーか。靴下はたっぷり厚手のリブ編み。手袋や靴は茶芯のレザー。俺の「好き」がどんどん迷いをなくしていきます。

 もしバーニーをバッカニアやモスキート(どちらも戦闘機ね)の隣に置くのなら、深いネイビーやグレーを使ってダークに仕上げたことでしょう。今朝買った午後の紅茶のエスプレッソはネイビーと金でした。ブリティッシュ感を出すにはこっちのが正解か。でも次はハセガワの飛行機、グレーのプラスチックに似合う子が作りたいな。無限の可能性が肌色の成型色に詰まっています。

 部屋に置いて、キラッとキュート。そんなかわいい女の子を肌色の成形色に許されながら、気ままに塗る週末は絶対に楽しいと私が約束します。「うちの子が一番かわいい」そんな風に言えるプラモデル、そうそうないです。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。