コスパで考えたら、「プラモデルの見栄え」は間違いなくデカールで決まります。

 デカール。水に浸すことで台紙からツルッと動いてプラモの上にピタッとくっつく極薄のシール。その性質上扱いに独特の手順が必要ではありますが、プラモの見た目を最後に決めるうえで最重要な工程です。なにしろ、手で描けないようなビシッとしたラインや小さな文字が印刷されているわけですから、よほどの達人でない限り代替手段がない。精密さや鮮やかさをバシッと与えてくれるデカールというのは、プラモにとって最強の「仕上げ材」でもあるわけです。

 『モデルアート』最新号では巻頭特集に「デカール攻略大作戦2021」と銘打ち、模型の見栄えを決めるデカールの攻略法をあらゆる角度から徹底解剖してくれています。デカールを貼るための表面、デカールそのものの扱い、貼ったあとのケア……と、思い浮かべただけでも気を配るべきポイントは多く、正直言ってデカールって総合格闘技みたいにあらゆることを考えなければいけないんですよね。スピードと辛抱強さの両方を要求されるし……。ということで、それを助けてくれるツールやマテリアル、各種ケミカルについてもじっくりと紹介してくれるのは本当にありがたい。

▲ソフターとセッターとノリの違い、ちゃんと理解できていますか?
▲こんな複雑な迷彩パターンもぜーんぶデカールで再現できちゃう。味方にすれば最強なんです!

 この特集を読めばデカールの扱いについてはひととおりの知識を得ることができます。とは言え、知識だけでデカールをうまく貼ることはできません。正直デカールの扱いは難しい。難しいからこそ、デカールを意のままに扱うことができるようになれば、模型を作ったことがない人からすれば「これ、どうやって作ったんですか?」と驚かれるようなすごい見た目のものができる。

 最初は失敗するかもしれません。デカールの大きさ、デカールの厚みや固さ、ケミカルとの相性など本当に気をつけなければいけないことが多すぎるし、あらゆるキットに付属するデカールについて、それらすべてを文字化するのは不可能です。

 だからこそ、貼りましょう。失敗しても、絶望することはありません。プラモには「デカールだけをもう一回チャレンジさせて!」というパーツ請求のシステムがありますし、好きなマーキングを再現するための別売りデカールも探せば探しただけ出てきます。恐れず、ビビらず、ときに「うわ〜」という失敗がありながらも、じっくりと手懐けていけばアナタにとって最強の味方になってくれます。

 さて、個人的に今月号の大注目作例がこの九六式四号艦上戦闘機です。「アルマイトのやかんのような色だった」という証言を頼りに塗られた浅いゴールドに赤いラインが映える映える!ホントにこんな色だったのかどうかは全然わかりませんが、赤い日の丸とゴールドの組み合わせ、絶対かっこいいよ……こんど真似してみよう。

 ということで、デカール特集以外にもかなり目に楽しい作例が目白押しのモデルアート最新号、わりと永久保存版といえる内容になっておりますので、お買い逃しのないように。最強のデカールファイターになって、あらゆるプラモをドレスアップしてください!そんじゃね。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。