1/56スケールってあんまり聞き慣れないですよね。もともとミニチュアゲームの駒として使えるようにサイズが決められた模型なんですが(「ボルトアクション」というワードで検索するとゲームの話も出てきますぞ)、我らはモデラー。「模型店に置いてあるのであればプラモデルとして購入して作るしかねえぜ!」ということで、今回はルビコンモデルズです。
ルビコンモデルズは純粋にこの1/56スケールのミリタリーモデルしか出していない珍しいメーカー。ゲームのコマとして使うには精密感もさることながら強度も大事になってくるため、パーツの一体化などを進めて非常にガッチリした作りが特徴です。さらに大きな特徴としてはバリエーションの豊富さ。キットの種類が多いわけではなく、一つのキットで複数のバリエーションを選べるのです。
今回紹介するバレンタイン歩兵戦車もIX、X、XIの三種類を作り分けられ、ほかのキットでもだいたい3~4種のバリエーションを選んで作れるのが楽しいキット。多いとパーツの組み換えで10種類ぐらいのバリエーション展開ができるキットも……!(いや、その結果パーツがドバっと余ったりはするんですけどね!)
実をいうと、このメーカーのキットが日本に入ってきた当初は正直ちょっとディテールがヌルかったんです。「あぁ、これはあくまでゲームのコマなんだな」という印象を受けた人も多くいると思うんですよ。俺もそうだったんですけど。しかし最近のキットは以前の印象からガラリと変わっておりまして、ディフォルメも抑え気味でカッチリした造形。スケールモデルとしての手堅い感じがしっかり伝わってきます。
そしてこのバレンタインでは足回りのパーツ構成がガラリと変わりました。これまでのルビコンモデルズのキットだと履帯(キャタピラね)と転輪が一体成型されており、「手軽は手軽だったけど造形はちょっとなー」って時もあったんですが、履帯と転輪が別パーツになっているのです。感動して泣きながら乾杯しちゃったよ。
もちろんこのランナー配置だと履帯の接地面のディテールはそこそこですが、いうてもそこはこのスケール。あんまり気になりません。マジでお酒が美味しい。
組みあがるとこの独特な雰囲気がヒシヒシと伝わってきます。なんかね、独特なプラスチックの色も相まって「俺らはルビコンモデルズを作ってるんだ」っていうキットからの主張が強いんですよね……!小さすぎず大きすぎないサイズと程良いパーツ数。金額的には……サイズからするとちょっと高めにも感じるけど、国も車種も豊富でコレクションするのにはちょうどいいシリーズですねコレは。ボクもこれまでいくつか購入してサクサクと組み立てて楽しんでおります。机の上にずらっと並べてニマニマと楽しむ事も出来るこの1/56スケール。オススメでございます!
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。