複葉機プラモは箱じゃない!中身だ!設計の心地よさは時代を越える

 「男は顔じゃねぇ中身だー!」とヴァースの締めでRHYMESTERの宇多丸が言い放ったのはリスペクトという曲ですが、

 ”西のベスト、東のベスト 繋げる7つのアルファベット R.E.S.P.E.S.T リスペクト ナフリスペクト”

 というフックと客演のラッパ我リヤのQが放つ「豪傑同士 結合し 曲げる鉄格子」あたりはまさに世界各地で開発される複葉機プラモデル賛歌。最強の一曲です。

 フリースタイルダンジョン出演時は「豪傑同士 結合し 作る鉄格子」と自身の歌詞を引用しながらバトルにふさわしいニュアンスへ変化させ、私もテレビの向こうの審査員も沸きました。

 「Amazonでいちばん安い複葉機」ことドイツレベル 1/72 Fokker D.7はその通りのキットとして我が家で完成に至りました。文庫本よりひとまわり大きいくらいの箱から繰り出されるランナーは美しきホワイト。そしてザラザラした手触りは布地の表現が素晴らしい。

 そっけないパーツたちのバリや押しピンの出っ張りを取りながら綺麗に整えて組み立てると、良い感じのおおらかさとゴリッとした組み味から複葉機の剥き出しのタフな構造があっという間に出来上がります。棟上げと呼ばれる翼を2枚に重ねる作業も非常に簡単。バシッと位置が決まります。コツとしては下の翼と機体に付く支柱が前から見ても横から見ても高さが揃うようにしてあげること。そして外側の支柱から上の翼につけていく。

 今回は外側の支柱を接着してからマスキングテープで軽く止め、機体側の支柱をピンセットでずらしながらハメていきましたが、今まで作った複葉機の中でもかなり合わせやすかったです。あっという間に棟上げ完了。

 箱絵はカラフルですが、繊細な布地の表現を潰さないように無塗装仕上げ。デカールを貼ってから、トップコートの艶消しを拭き完成。マットな質感になることでガッチガチのキャンバスクロスの風合いになり、思った以上にゴワつきのあるルックスに仕上がりました。

 ところで、こういった布張りの飛行機の生地はどんなものなのでしょう。部屋にあるL.L.beanの帆布生地のバスケットはその質感に近しい気もしますが、それよりさらに強い、ベルトコンベアなどで使われる2号帆布はもっとゴワッとしたものです。

 その生地を使ってカバンを作っている佐藤防水店のホームページによりますと、0号帆布は現在は生成りのものしか流通していないようなので、私が作ったFokker D.7もそんな0号帆布の様なタフな仕上がりになったと思います。ちょっとチリやホコリが残ってしまいましたが、実際に帆布生地を見ると完全に均一な見た目ではなくうねりやチリのあるワイルドな質感なので、これもまた雰囲気を増すために一役買ってくれている気がします。

 複葉機のプラモデルは新しい/古いなどの外見ではなく、中身。設計した人の頭のキレの良さを味わえるのでとても楽しいです。ドイツレベルの1/72 Fokker D.7は箱絵やパーツ、価格から感じるチープさとは違う中身の良さがありましたので「プラモも顔じゃねぇ、中身だ!」と私がここで言い放ってみます。たまにめちゃくちゃ難しいのもありますけど、そんなときはリスペクトを聴きながら男らしく、雑木林を鉈一本で切り拓く気持ちで突き進んでいきましょう。私も、切り拓いてます!

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。